よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療構造の転換がもうすぐそこに

間違いなく、日本の医療は構造を変えることになります。病院病床削減は、地域包括ケアシステムにより、その実現性を増し急速に進みます。
在宅医は、益々力をつけて機能強化が進み、驚くほど大規模化が進みます。既に地域によっては2000人規模の在宅患者をケアするグループが出現し、あらゆる診療科の医師を束ね、また放射線技師やPT等のコメディカルを集めて、訪問看護や訪問介護も傘下に納めながら、病院に入院しなくても済む医療を提供し始めています。
彼らまでいかなくても1000人規模の在宅療養診療所はあまた出現し、さらにシェアをどうとるのか戦略を立案しています。
...
高齢者の増分は、彼らの手に委ねられるケースが増加し、急性期の後の患者のケアも確実に行うべき体制をとるばかりか、業績の悪化した病院の経営支援に入ることや、買収をするケースも増加することも視野に入れて行動しようとしています。
彼らは比較的若く、情熱に溢れていることも、構造変革に拍車をかけることになると予想しています。
マネジメント能力の不足する病院は患者を減らし業績を落します。住宅や施設が多く作られることも、そのための、意図的に造られた構造転換のための仕掛けであることが、いま明確になりました。
聖域なき(社会保障費)歳出抑制のなか、診療報酬改訂や医療介護総合推進法も、地域医療計画を通じて病院淘汰を促進する意図をもち、実効性のある実務が行われることになります。
景気が劇的に回復することを望めないいま、診療を受けられない患者も増加することが予想され、各病院は連携強化や統合を行いながらマネジメント能力を強化し、質の高い合理的な医療を行うことに執着する必要があります。
減少する患者をどう集めるのか、多くの病院との間でし烈な闘いが開始されます。あらゆる手段を駆使して、「来るべき時」までに人材育成を核とした方法により、強固な組織を造り上げることが求められています。
イメージ 1