よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

職員が、やる気になる未来の階段

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 医療従事者は、日々慌ただしく働いています。
 
 毎日、単純に繁忙であることは疲弊を生み、組織への執着をなくしてしまいます。医療に対する使命感だけに依存するのではなく、夢をもって働いてもらうことで、彼らが本来持っている力を発揮してもらうことができます。
 
 院長をはじめとした幹部リーダーが、成果をあげるため、常に成功の物語(ストーリー)を語らなければならない理由です。
 
 「いま、この診療所(又は病院)は何を目指すのか。そのためには何をしなければならならないのか。誰がいつまでにそれをするのか。といったことを決め、それらを実施するため職員一人ひとりが、どう行動すればよいのか」を検討します。
 
 そのうえで「誰々はいつまでに、何を、どのような方法で、どのように実行してほしい」ということを説明します。「成果があがったら、こんな機器を購入しよう、こんな視察をしにいこう、こう処遇しよう、こんな働きやすい職場になる」といったこと(未来の階段)を伝えます。
 
 そのことで、これをしたら、こうなる、ということが明確になるとともに、自分にとってはこういうメリットがある、ということが理解できるようになります。
職員一人ひとりに与える役割は、達成可能なものでなければならず、また支援できる範囲のものでなければなりません。
 
 支援せず勝手にやらせ、できてもできなくても本人の責任といったようなことを行うと、いくら夢のある物語であっても、彼らの目には実現不能のものとして映り、そのことに誰も取り組もうとしなくなります。それでは意味がありません。
 
「頑張ってやればこんな良いことがあるよ。それはこうしてやっていこう。診療所(又は病院)は、皆さんが役割を果たし、目標を達成できるように支援します」という流れをつくることが求められているのです。
 
 益々厳しくなる医療環境において、リーダーが率先して行動し、未来の階段を示し続ければ、やる気になった職員により組織は大きく発展します。早速、行動されることを期待しています。