よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

わかりやすい地域連携(1)地域連携の意味

多くの病院で、地域連携の意味がわかっていないという思いがあります。

診療所を廻る、病院を廻るということが地域連携である、場合によっては相談室をもって患者さんや地域住民の方の相談を受けることも機能に含めているところもありますが、いったいどのような機能が地域連携には必要で、地域連携はどのような役割をもっているのか自院のブランドを確立する必要があります。

地域連携は病院の重要な基本戦略の一つです。
地域における当院の役割を明確に示し、レベルを高め、そしてそれを地域に提供するといった考え方が基本にあります。

昨日お会いした着任されて4ヶ月T院長は、自らも講演会、出版活動を行い、診療活動を現場の第一線で行なっているとともに、医局の先生をみつけると、先生のやりたいことは何かを教えて下さい。何もできないではなく、やりたいことを病院の戦略としてうちだし、できる方向で病院を変えていきましょう。と活動を開始しました。

また、一人ひとりの医師にこれとこれを現場で調べたらどうですか、学会で発表できますよ。といってテーマを提示し、新しい取り組みをどんどんしています。

当然に理事長の理念や方向があります。それは明確に方針として提示されていますが、実際には、どのように特徴を出し、強みを発揮し、患者さんや地域住民に来院してもらえる、そして他の医療機関から患者さんを紹介してもらえるか、といったことについては、以外と頓着していません。

懸命に診療活動をすること、あるいは指標によってマネジメントすることのみに力を注いでいる病院がありますが、いちど原点に戻り、どのような医療をしていくのかについて概念ではなく具体的、明確な方向を出していくことから病院のあり方を議論することが必要であると考えます。

そのなかから本当の意味の地域連携が行われるための自院のブランド構築がはじまります。