よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

わかりやすい病院経営(2)でてくる問題点はこんなもの

医師や職員からアンケートをとって、でてくる結果で最も多いものから列挙すると、次のようになります。

①上司とのコミュニケーションが悪い
②他部署とのコミュニケーションが悪い
③トップの進む方向がわからない
④休みがとれない
⑤評価が公平ではない
⑥上司が無能だ
⑦上司を変えて欲しい
⑧報酬が低い
⑨トップが言ったことをすぐ変える(どこに進んでいるのかが判らない)
⑩上司が人をえこひいきする
といったところです。

意外と設備の問題はでてくるのですが、比率が少ないなど、アンケートに答えてくれる医師やスタッフは、仕事をしていくうえで、しごく当たり前のことを答えています。

これをもう少し広げていくと、
①リスクマネジメントができていない
②事故を隠蔽したのをみた
③教育制度がないので、中堅になると辞める(定着率が悪い)
④医師が横柄である
⑤患者さんから職員の態度が悪く接遇ができてない
といったものが追加されます。

上記は結局は我々が主張している3つの領域、すなわち目標管理制度を中心として展開するHRMを確立、彼らが成果をあげるために必要な医療ツールを提供、そして管理会計を整備したうえで、スタッフが行動し易い、成果を挙げ易い環境づくりをすることができれば雲散霧消します。

①共通の目的(目標)ができれば、トップの考え方も理解できますし、自然とコミュニケーションは良くなります
②医療ツールを整備し、利用していくなかで上司は育成され、部下を指導するプロセスにおいて、上司がらみの問題は解決します
管理会計領域へのさまざまな取り組みを行なうことで明確な先行指標が提示され、組織が方向が明確になります
④収益が低ければ利益はでず、したがって報酬を支払うことができません。スタッフ全員が営業をしていると考え、常に医療の質を高めるながれが明確になる
といったことになり、所期の問題は解決すると考えます。

上記に記載された問題だけではなく、あらゆる病院にあらゆる問題点があることでしょう。現実的には、
①ロジックを確立する
②めざすところを発表する
③部門方針立案を求める
③さらに仔細なかつ具体的な実行計画を立案する
④強いリーダーシップのもと、医療ツールを提供し、活動を積み重ねる
といったことが必要です(続く)。