よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

危機感はないのでしょうか(2)やっている病院はやっています

そのほか、地域連携、退院支援活動、パス、マニュアル、リスクマネジメント(レポートのWeb上での管理、データ分析等々)そして最近は医療材料の受け払い管理の見直し(不動在庫処分)医事の見直し等々を実行しています。

施設基準としても、一般病棟、回復期病棟、亜急性期病棟といったポートフォリオを組み、収益を極大化するとともに、平均在院日数を14日とし利用率を92%でキープしています。総合リハも取得し、サテライトを建て、明確な分離を行い、外来入院比率もバランスがよくなりました。

常に、他の病院へベンチマーク部隊を送り込み、レポートや発表を通じて院内に具体化するための活動を迅速に実施しています。全国のなだたる病院はほとんど見学チームを派遣しています。医師の定着率はよく、海外からの先生の登竜門ともなっています。

多くのスタッフは同じように苦労し、同じように悩んでいます。しかし、幹部の考え方やリーダーシップによってその苦労が生きもするし、報われることになります。そして成果を大きくあげることができることはいうまでもありません。

当の幹部は地方病院ではありますが、東京で大学教授のゼミや勉強会にも参加、さまざまな大会でパネラーや発表者を務めるとともに、自らコーチングの先生に指導を受け、リーダーの到達目標への道筋や、リーダーとしてのあり方を常に学習しています。

病院経営幹部が、常に現状に満足しない、そして現状に危機感をもち、組織の経営資源を有効活用し、確実に成果をあげていかれることを祈っています。