よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

夢を分解して一歩づつ

 

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夢のない人生がいかに寂しいものだということに、気が付く時期があります。

毎日を何気なく過ごすのであれば余計そにうした思いになるし、あることをやりたいとはじめは思っていたものの、目の前の仕事に忙殺され、懸命に生きて、その日ぐらしをしても同様の気持ちになると考えています。


これだけは成し遂げたいという何かがあれば、日々の慌ただしさも、その一里塚であると感じることができますし、だからこそ日々の仕事を、夢にどう活かすのかも、見えてくるようになります。

もちろん荒唐無稽な夢を実現するのは困難です。

 

まずは、達成可能な夢をいくつかに分けて、一つ一つ達成するとそこに到達するようにしていくことが必要です(荒唐無稽と思っていても、想い続け行動していれば、気がついたら達成していた、というケースがない訳ではありません)。
初めにこれを、次にはこれを、そして次にはという、流れができているのか確認していくことが必要です。自分の弱点をなくし強みを強化するプロセスも必要です。

まず、やるべきことをやり、その上で内心からフツフツと沸き上がる情熱を持てるものに力を入れていかなければなりません。

世の中に受け入れられることも、要件のひとつであり、大切なものだと思いますが、まず、「これは自分がやらずに誰がやる」、といった情熱の作り込みと、具体的な計画をたてる必要があります。

そして、夢の分解です。期日、成果、また、手段等、計画はすべて一定のルールにより分解されて実行をすることになります。

一体自分は何をするのか、していくのか。常に問いかけなければなりません。

 

よく考え、何をしたいのかの思いをもち、自分にしかできないと信念にまで高め、やりたいことの技術を磨き、人間としても魅力づくりのために日々人間力を高める行動をとり、自分の思いを伝えたり、思いを達成するための支援を受けるためのコミュニケーションをとること。

 

そして、徐々に力をつけ満足しながら成果をあげて達成感を得る。その繰り返しが夢を叶えるプロセスなんだと確認しなければなりません。

根底にながれる思いは不変でも、いつも何かをやり始め途中でうやむやになることが多い現状からの脱却が必要です。

 

気が付いたときが、スタートの時期だと思い直し、夢を実現するための仕組みをしっかりと理解し再度、抗いながら仕切り直しの人生を過ごしていきたいと思います。

 

 

業務改善の着眼

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業務改善は、仕事をより良いものに変えていくことをいいます。日頃、継続して実施すべき事項です。

 

言い方はどうであれ、うまく、はやく、やすくというキーワードで仕事を行えるように工夫・創造することが重要です。「うまく」「はやく」は仕事の質を高めることですし、また、「やすく」は合理的にということであります。

できるだけスピーディに、そして無駄を省き、しかし仕事の質は落とさない、というやり方を開発していかなければなりません。
そのためには、日々、以下のことに着眼して仕事をしなければなりません。

 

  • チェックシートを作成する
  • マニュアルを整備する
  • 手順を短くする
  • 書類のフォームを変えてみる
  • 仕事のながれを変えてみる
  • 仕事の分担を変える
  • 仕事をする時間を変える
  • 動線を短くする
  • 整理整頓を行い、捜し物をする時間を短くする
  • 所在を明らかにしてもらい、捜す時間を短縮する
  • 事前に打ち合わせをして齟齬をなくす
  • 時間を意識した行動を行う(タイムマネジメントの実施)
  • 優先順位の高い仕事から処理をする
  • 日々行う必要性が低い仕事を、ある時期にまとめて行う
  • またはまとめて行っていた仕事を日々に分けて実施する
  • 他部署との間にある衝突をなくし、スムーズに仕事が進むようにする
  • (常に他人の支援を行う結果、)社内外に自分の支援者を数多くつくる
  • 仕様を変える
  • 種類を変える
  • 量を減らす
  • まとめて購入する
  • 外注から内製化する
  • 他部署で行っていたことを一元化することで生産性を向上する
  • 価格交渉を行う

といったことがそれらです。

厳しい環境を迎え、従業員一人ひとり、リーダー一人ひとりが、業務の流中で上記に留意し、少しでも成果を挙げられるよう対処することが必要です。

 

 

 

 

自らを生きること

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人の命はそれほど長くなくて、できることも限られているにもかかわらず、すばらしい何かを成し遂げている人がたくさんいます。

 

小さな出来事を積み重ねながら、慎ましく、しかし地域で根を下ろし、地域のために頑張っている人もたくさんいます。また、何もしなくても、人が生きていることの尊さを教えてくれる人々がいます。

 

リーダーの役割をもって仕事をしている人も、そうではない人も、またそうした場に立たない人であったとしても、皆この世に生きて、意識するかしないかは別として、何らかの使命をもって過ごしています。

 

その人が、自分が生きた証を残したり、残さなかったりするのものの、どこかで他に影響を与え、他の人の役にたっていることもたくさんあります。

 

ただ、自分がどのような人間なのか、そして何をしなければならいのかについて考えようと、考えまいと、結局は物理的に時間が経過し、そのなかで人生は終わります。

 

「地球そのもの」の営みすら、いつかは力をなくし、数十億年後ともいわれていますが地球も存在しなくなる時期がきます。太陽が、核融合燃料を使い果たして赤色巨星に変化し膨張し地球を呑み込み最期を遂げるといわれているのです。

 

こうして考えると寿命の長短はあるとしても、生あるものは、すべてその時間を終わります。これが人間の摂理であると判っている人も、分からない人も、分かりたくない人もいることでしょう。

 

いずれにしても、いろいろなことがあり、いろいろな思いをもち、いろいろなことを感じ、他者と交わり、離散し、喜び悲しみ、怒り、反省し、心配し、安心し、毎日それを繰り返していくことが生きることです。

 

ただ、そのなかで、人間に与えられた大切なことがあります。それは、「大抵のことは自分でコントロールできる」こと。

 

自分なりに自分のできる分野や範囲で、家庭や地域、社会において自分がやりたいと思ったこと、やらなければならないこと、できることをやり続け、何かを越えるよう努力し続けられることを意味しています。

 

すべての人は、気付くか気付かないかは別として、刻一刻と最期の時間が迫るなか、思いを持ち行動すれば、自分の思うままに生きられます。 

 

早くからその事に気付き、そう納得して相互に支援し合いながら皆が生きていけたら、どんなに素敵でしょう。

 

私は気付くのが少し遅かったかもと思います。とはいえ気付いても行動に移さなければ意味がありません。また、行動に移しても続けなければ成果は挙がりません。

 

いま、自分は何をすべきなのか、しっかり考え行動することが必要な時代になったと、しみじみ思います。

仲間たち

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社内外を問わず、お互いに節度をもって思いやれる仲間たちがいます。それぞれの立場や仕事、性格や属性など、さまざまなものの多くを了解したうえで、一緒に仕事ができる彼らがいることで、仕事が円滑に進みます。縁があり、彼らと知り合えたことはとても幸せです。

 

 思いはそれぞれであり、とりわけ外部の人は仕事に対する考え、姿勢は相違するかもしれません。ただ、同じ方向にあるミッションが見えたとたん、協力し合い成果を共有することができるのは嬉しいです。

 

自分がどのような道を歩むにしても、こうした仲間が自分を支えてくれる。とても心強く安心できます。もちろん、私も自分が彼らに何をできるのか、考えていますし行動します。まずは彼らに貢献し喜んでもらうことがスタートです。

 

そのうえで、当社の社員であれば、従属的にならず自立して、一人ひとりが自らの役割を知り、自覚し、行動するとともに、周りにいる人達をおもんばかり、支えようとすることが必要です。外部の仲間であれば、彼らのもつ一部の力を貸してもらえると助かります。

 

相互にその関係があってはじめて安心や信頼が生まれ、成果をあげていくことができるようになります。それが信用に昇華されたときに、さらに仲間としての絆は強いものとなるのだと思います。

 

まず自分が内外の仲間から信用されるよう日々精進し力をつけて成果をあげる。このことを心掛けて今日をはじめたいと思います。 

 

不確実な時代への挑戦

 

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先が読めないなか、前に進んでいかなければならない時代。仕事の質を上げ生産性を高めるために、3つの視点から、(教育をも含めるという意味で)広義の業務改善を考えます。

一つは、仕事の仕組みの見直しに関すること、二つ目は個人の技術技能、そしてコスト削減に影響するものです。  

まず、仕事の仕組みの見直し。例えば

  1. 業務を均一に行えないか(標準化)
  2. 複数の業務で関連するものを一緒に行えないか(簡素化)
  3. 動線を短くできないか(簡素化)
  4. チェック数を少なくできないか(簡素化)
  5. 時間帯を変えることができないか(集中化)
  6. 同一部署で他部署の業務も行えないか(移管)
  7. 内製化できないか、外注化できないか
  8. 止めてしまうことができないか(廃止)

といった検討を行います.

これらについて実務では以下が実行されています。

  1. 書類のフォームを変えてみる
  2. 仕事のながれを変える
  3. チェックシートを作成する
  4. マニュアルを整備する
  5. 仕事の分担を変える
  6. 日々行う必要性が低い仕事をまとめて行う
  7. まとめて行う仕事を日々に分けて実施する
  8. タイムスタディを行い現業務の生産性を定量的に把握する
  9. 重要性のない仕事を止める
  10. IT化を進める

 また、個人の技術技能向上については、

  1. 部下がやる気になるにはどうしたらよいか
  2. 指示の出し方をうまくできないか
  3. 組織関連系をうまくできないか
  4. 個人に光を当てた教育システムをつくれないか
  5. どのような教育体系を整備すればよいか
  6. 日々の教育をどのように行えばよいか
  7. どう約束し、評価し課題を抽出すればよいか
  8. どのようなリーダーであるべきか
  9. どのように時間をつくればよいのか

が議論されます。

 なお、同時に人件費以外のコストについての見直しも必要です。

  1. 仕様を変える
  2. 種類を変える
  3. 量を減らす、使用を止める
  4. 購入先を集中したり、まとめて購入する
  5. 価格交渉する

 どのような組織運営を行うとしても、どのような業務を行うにしても、上記のかたちをつくりあげていく必要があります。

戦略の良し悪しや実行力が最も大切ですが、着地予測不能な環境変化を前にして、恒常的に行われる業務改善が組織運営の帰趨を決するといっても過言ではありません。

難しいことですが、複雑で不確実な時代、地味ですが原点に戻り柔軟な組織づくりを前提とした、躊躇ない社員の動機の喚起、業務改善提案制度の適切な運用が求められています。

なお、上記はニューノーマルに直面した働く者全てが、自分のこととして捉え合理的で質の高い生活を送るための視点でもあります。

強い信念による目標を掲げ、日々規律をもって過ごせる人生は素敵ですね。克己できない自分を振り返り、先ずは健康であるための鍛錬から始めたいと思います。

 

 

 

 

意思決定のためのフロー

 

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何かを決めるためには、現状分析→情報収集→仮説立案→情報収集→仮説検証→情報収集→仮説立案…というサイクルを繰り返しながら確信がもてたところで意思決定をすることが必要です。
 
 この方法をコンスタントインターチェンジングメソッド=CIM(絶え間なくやり取りをしながら決定する方法)と名付けました。ボトムアップでもない、ミドルアップでもない、また、単なるトップダウンでもありません。
 
情報収集を行い、幾つかの自分の考えを整理し、またその考えが正しいかどうかを情報収集により検証し、さらにまた自分が考える。そしてまたその考えが間違っていないか、情報収集により確認し、徐々に自分の思いの確度を上げたうえで最終的に意思を決める、というながれをつくりだす方法です。
 
CIMを行なう結果、情報の提供元はトップやリーダーとのやり取りを行うプロセスで何を決めようとしているのかを推測できるようになり、意思決定の後の行動がスムーズに進む効果を得られます。
  
多くの経営者や幹部を見ていると、これらを行わず自分の直感でいきなり何かを決めてスタートする人がいます。勿論、自分なりの考えや分析を行い、何かを決めるのですが、十分な検討をしていない部分に不足があり、後に修正を必要とすることの確率が高い人達です。
 
そもそも意思決定には代替案がつきものです。意思決定の定義は「特定の目標を達成するために、複数の代替案から最適なものを選ぶこと」だからです。
 
なので意思決定は、A案だけでなくて、B案、そしてC案と代替案を用意し、それぞれの課題を十分に検討した上で最適な案を選択することが前提になるのです。
 
代替案を幾つかに絞り込むというのは、決めようとする何かを十分に検討することを意味しています。いきなり、これだ、というのではなく、この場合はこれ、こんな時にはこの方法、もしこうだったらこれ、のようにリスクや幾つかの可能性を考えるのは、対象を様々な角度から観ている結果です。
 
意思決定には、情報を得たうえでの熟考が必要です。日頃から一つのことを多角度的に検討する癖をつける。訓練する事なしにこうしたことは行えません。CIMの必要な理由です。
 
もちろん、これらのアプローチにむやみに時間をかければよい、というのではありません。情報収集を含む熟考と時間は比例しません。着眼をもち情報を集め、短時間で代替案の本質を掴むのもリーダーの質の一部です。日頃から適切な情報をくれる優れた内外スタッフやネットワークを用意し、コミュニケーションを行うための環境整備や、自らの人格形成、他者からの支持を得られる自分づくりへの鍛錬を忘れず、マネジメントを行なわなければなりません。
 
小さな意思決定から大きな意思決定まで、手のかけ方は異なりますが、トップや各組織のリーダーは適切かつ迅速な意思決定を行う為にそれぞれの領域で常にCIMや代替案の設定を意識して行動しなければならないのです。
 
自分も出来ていないので、先ずは自分からですが、多くの組織が適切な判断を行い、高い成果を享受し時代を乗り越えていくことを期待しています。
 
 

表彰式に見る結束力

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 いろいろな問題を抱えながら、オリンピックが始まりました。

真夏になりつつある気候に多くの外国人が辟易とするなか、日本は期待を超えて、メダルを積み上げています。メダルの数というよりも日本選手の頑張りには目を見張るものがあり、メダルを取る取らないの前に、素直に彼らの闘いに感動します。

ソフトボールもそうでした。勝利の瞬間はあっけないものでしたが、最後までドキドキして試合を観戦しました。前回の北京から13年後の東京大会に多くの北京経験者が残り、ソフトボールをやり続けてきたということに驚くと同時に、日本が強敵である米国に再度勝利する力を持ち続けていたところに畏敬の念を抱きます。

日本が金、米国は銀、カナダが銅という結果の試合後に表彰式がありました。

国旗掲揚の前にメダル授与式です。今回のメダル授与式は、コロナ禍のためプレゼンターから手渡しでもらったメダルを自分でかけるルールになっているようです。

なので多くの場合、表彰式では皆が自分でかけます。ソフトボールは、団体戦なので自国の選手が横にならんで表彰台に上がります。カナダは左端の選手の隣の選手がメダルを受取り、自分の右隣の選手にメダルをかけハグをしていました。日本も同様の対応を行い、しかし文化や習慣の違いからかハグはなかったと記憶しています。

米国はこのやり方をする選手としない選手がいてバラバラでした。当初から皆でこのやり方を決めていなかったのだろうと思いました。

「左端の選手の隣の選手がメダルを受取り、自分の右隣の選手にメダルをかける」方式は、オリンピックに相応しい相手を褒めたたえるという印象があり、適切なものだと思います。自分でメダルを首にかけるのも、自分で自分を褒める、という意味からは良いと思いますが、団体戦であればなおさらチームの仲間を褒める(誉める)ことが必要なのではないかと考えます。

オリンピックのルールとしてこの方法を採用し、これ以外はだめ、とすることはどうかとは思いますが、カナダ、日本の授賞式の光景は少なくともチームとしての結束力を示すものだったと理解しています。

米国は、力がありながら再度日本に負けました。9回裏に何人かの選手が涙目になっているのをテレビ越しに見て勝負に対する執着や気迫は感じられたものの、日本との差が出たのは、適切かどうかわかりませんが、授賞式に見たメダルの取り扱いにみる「チーム結束力」なのではないかと感じた瞬間でした。

なお、ソフトボールはチームでの勝利であり、一体感が求められるスポーツなので、とりわけ、そのような印象があったのかもしれません。

例えば、男子体操は銀メダルのとき「このやり方」はできていませんでした。

体操はソフトボールとは試合の進め方やそもそものトレーニングの内容も異なり、個人競技の集積点で勝負が決まることで、得意分野が異なるメンバーのチームの大切さを感じつつも、選手の思いは自分に向くのかもしれないと一人納得しています。

企業はどうでしょう。同じ目標に向かい途切れることなく毎日試合をしているような人生です。一人ひとりの価値観は異なるもののビジョンや戦略は共有し、チームで仕事をしています。

たまに表彰されることはあってもメダルをもらう機会はありませんが、日々細かく決めた目標や月々、年間の目標のために(もちろんオリンピックの壮絶な厳しさはないしオリンピックになぞらえるのも不遜ですが)我々も皆日々葛藤し勝負しながら生活しています。

チームの仲間として皆で相互を慮り、メダルを掛け合うような関係をつくりあげている企業は強いと思います。

今の日本の職場環境においては誰かれなく、リアルにハグをし合うカナダ方式は問題を生むとしても、米国のチームとしての不揃いな対応ではなく、ソフトボールの表彰式の日本のような行動をとれると良いのではないでしょうか。

自己の鍛錬を行いつつ、一体感をもってチームの一員として他のメンバーとの連携による成果を求め、結束して日々活動しなければならないと、表彰式を観ながら学んだのでした。