よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

オーストラリアNPO

先日、オーストラリアのNPOでナーシングホームを運営しているR氏が来日しました。大使館での講演会の翌日、E氏のご紹介でお会いし、座談会に出席させていただきました。日本の介護事業と、オーストラリアの介護関係事業との比較をしましょうという座談会で、めちゃくちゃうまい通訳の方がボランティアでついてくださいました。

日本からは北陸で手広く事業を進められているH氏がいらしてお話をしていました。私が病院のコンサルタントであるということ会計士であることから、オーストラリアでは介護事業は国際会計基準によって処理されているが日本はどうかという話がありました。

日本の病院や施設は小さいところが多く(R氏のNPOは2000人弱の方が働いているそうです)、なかなかそこまではいかない話をしました。

彼らも数年前までは現金主義での対応をしてたようですが、発生主義への転換を行なうことによって、正しい会計ができるようになったようです。ついこの間までは減価償却費すら計上していなかったのに…です。日本はまだまだですという話をしました。

自分として興味があったのは、オーストラリアでは老人学や抗加齢学が発達していることです。多くの大学では老人のケアに対する科目があり、老人の研究が進んでいるため、対応が緻密に行なえるということでした。日本にはほとんどそうした学科がなく、講座も少ないため、なかなか本質的な部分での老人のサイドにたった対応ができないでいる、といったことが議論されませした。

E氏も哲学的な方なので、
老人は死をどのように考えているのか
ケアの体制はどうですか
貧富の差があるときに医療保険介護保険はどのような使われかたをするんですか
等々の質問がありました。

R氏はKPMGの出身のコンサルタントで常務役員です。
彼のNPOは無借金で潤沢に利益を出しているようです。
日本の対応とは異なる心からの応対をしながら、適正利益をだしています。
利用者の満足度と適正利益では日本は負けたという感じです。

今後病院が介護事業に出るときに、大きくためになる話を聞けたと考えます。
Rさんありがとうございました。そしてアレンジしていただいた方ありがとうございました。