よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

かかりつけ医(6)想像の世界?

私が望ましいと思うかかりつけ医は、次のイメージです。

診療所の外は水がまかれて、すごく綺麗ではないけど掃除が行き届いている。
待合室の入り口を入ると、沢山の患者さんがいるけれども、温度は的確に管理されており、
てきぱきと診療が行われて待ち時間も少ない。

受付もしたがって明るい受付スタッフが手際よく事務処理をしているようだ。
先生は、診察中は真剣でカルテを見て、患者さんを診て、指示を的確に出している医師。
写真やPCを利用して患者さんには的確に短い時間で説明をしている。

もちろん、患者さんのデータベースがあり、場合によっては小ぶりの診療所用電子カルテ
によって、またダイコムの画像システムが導入され、瞬時に検査画像を見ながら、そして
場合によっては、フィルムが取り出されを凝視し診断が下される。医師のスキルは高く
診療時間の短縮が図られている。

裏側では、もっとも合理的な仕事の仕組みをみなで考える。そして失敗したことについては
診療が終わってからスタッフがミーティングをしている
クレームがあれば、直ちに対処されているとともに、防止策が翌日には決まり、朝礼で医師
から説明がある。

毎週土曜日の夜は、会計のチェックが行われるとともに、キャッシュフローがチェックされ、
事業計画のなかで、設備投資計画や増患計画が検討されている。できれば1診だけではなく、
2診にしよう。そして、場所はこれでよいのかどうかの検討、移転は難しいため、増床ができる
のかどうかが検討されている。

スタッフも常に個々人の課題が明らかになり、そのなかで問題解決をしようという努力を皆が
できる風土や雰囲気がある。先生のために、そして地域住民のために、患者さんのために成長
しなければならないといったスタッフの決意と笑顔が、お互いのモラールをさらに高めていく。

先生はそうした努力をより理解し、笑顔で患者さんのため、地域のために頑張ろうねっと
いつも声をかける。毎週決まった日には近隣の中核病院でのカンファに参加して、患者さんを紹介
するときに安心できる病院であるかどうかを常に評価しながら、患者さんを紹介している。

連携病院のプレートがあり、何かあれば搬送するといった記述のなかで患者さんも安心して治療
に来院できる(併診については近隣の信頼できる他科に紹介を行っている)。また連携している病院も、力のあるところばかりであり、紹介をした先生の懸命さと
人柄が伝わってくる。

本当は、こうした先生を何名か知っています。不思議なことでも、理想でもありません。
現実の話です。
こんな医師に出会える人は幸せです。