よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(10)職場の環境がよくなければ…

医療事故の半分はヒューマンエラーですが、以前にも書いたように、そのうち個人の技術技能不足が半分程度、そしてついうっかりとか、集中力を欠いてとか、気持ちが不安定であるとかいったものは、実はGYPーNSさんがおっしゃるように、職場の環境であると思います。

シフトの組み方、人員の不足感、処遇(教育の機会があるなしを含む)、評価そしてもっとも重要なのは、人間関係であるということです。阿吽の呼吸で役割分担し、仕事が円滑に進むという記事を前回TBしていますが、まさに、こうしたことは、職場のリーダーの役割であり、そのリーダーを育成する病院の役割であると思います。

そこには確かに現場では解決できない問題点もあります。組織全体が制度としてみていくものがあるでしょう。しかし、現場のリーダーシップがそれらを推進する役割ももっており、かつ、部下を良い方向に誘導する機能も果たさなければなりません。

人間関係をどのようにつくりあげていくのかについての技術技能が必要ですし、またリーダーの全人格があるべきかたちで形成っされていなければならないのも事実です。
病院は、今後リーダー育成に力を入れるとともに、個人のモチベーション(行動の動機)を明確に引き出せるマネジメントが必要となると考えます。

職場の環境がよく、本人が存分に能力を発揮しながら仕事ができるという経験を積んだ者が、真の意味でプロフェッショナルな看護師さんとして成果をあげていくのであると考えます。
もう一度整理して復習すると、
1.処遇
2.リーダーの存在
3.職場の人間関係
があることで、看護師さんは十分な活躍ができます。

1.高い人格をもった者(当然知識は前提)を監督者、管理者として登用する
2.中間管理者研修でリーダーシップのあり方について学習する
ことが必要です。

患者さんからしても、こうしたリーダーがいる病院は安心できますよね。