よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

クリティカルパスについて(2)超簡単な説明ですけどⅡ

ただ、最近は自動的にレセプトからCSVに落とし、正規分布の範囲を設定すると合併症の治療等を自動的に排除したかたちでパスが作成されるソフトがでていますので、利用すると瞬間にこの作業がいらなくなります。

とはいうものの、検査パスから入院パスということが通常であり、どちらかというと手順書のようなかたちでのパス作成が行なわれるようです。

パス適用にあたっては、合併症があるといったことが即効バリアンすとなり、パス適用除外として処理するとすれば、多くのケースにおいてパスが適用できないということがあり、どのようなパスを作成するのかが大きな問題となります。

ここでバリアンすは変動からの逸脱(でパス期間を延長させるものとすることが通常)をいい、変動を含みません。変動は、パスの期間を延長させない追加的治療をいうようです。バリアンスについては、バリアンスコードを決定し、ノートを作成、コードでの集計及び分析を行なうなかで、治療上の課題を解決しようという試みが行なわれます。

医療従事者、システム、環境、患者要因といったものがそれらです。
もともとパスには、ゴール(アウトカム)の設定が行なわれる必要があり、最終的なゴールと日日のアウトカムが対象となります。

アウトカムの設定において、どのようなアウトカムを設定するのかについては、CI(クリティカルインディケーター)を利用することが必要であり、定性的なアウトカムにより判断を曖昧にするのではなく、定量的なアウトカムをできるだけ設定し、~ができるようになる、~が安定する、といったことだけではなく、指標が実際どのような範囲に収まればよしとするといった客観的な管理を行なうことが適当です。

アウトカムマネジメントについては別項に譲りますが、実際にアウトカムをどのように設定し、パスの期間を短縮するのか、といったことや治療を変えることによって,パスの期間を短縮することが平均在院日数短縮のための実質的な方法になります(続く)。


(「医療と健全経営」から一部転載)