よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

リエゾンナースについて

 昨日から広島に来ています。札幌からの移動だったのでいやだなと思っていましたが、雨が降っており、結構札幌よりも涼しくて安心しました。広島の路面電車をみると原爆を思い出します。

 勿論被爆したわけではないのですが、道路を横断するときにふと下をみると赤茶けた色をした石の中に線路が敷かれており、これが原爆の後かと思ったりします。広島は原爆のあと都市開発を行ったので、それはないといわれますが、写真でみた情景が頭に浮かんでしまいます。
 

 昨日は、DPC準備委員会においてディスチャージの企画づくりをしているなかで、リエゾンナースの制度整備に取り組んでいる病院でミーティングをしていました。入院から退院に関わる看護師がいることで全体が俯瞰でき、円滑なサービスが提供できるシステムです。

 入院時のアナムネ、リスクスクリーニングを経て、入院1週間カンファを行い、爾後患者さんの状況に応じた対応が進んでいるのかについて全体をコントロールしていくことになります。検査の外来化、セット化を前提として、その段階から介入するこのシステムは、DPCに不可欠なものであると考えます。

 従来私たちもディスチャージについては早くからそれなりの方法を考えてきたし、地域支援協議会を開催することで病院と介護のボーダレス化に向けた対応を支援してきた関係上、リエゾンナースは素敵なシステムです。

 どうしても書類のやり取りやシステムで全体を管理しようという発想から、人が介在し、人が判断し、人が課題をもって動き、指示を出すといったながれをつくりあげることはITやシステム思考から逆行するようですが、一番医療に適した仕組みであると考えます。
 
 ただ、リエゾンナースは一人ですべてを看ることはできないので、結局チームや業務フローの精度が評価されなければならないということも事実です。

 ものが目の前でながれていても、そのことに気が着かない感性をもった者では仕事をあるべきかたちで進めることは困難であるという懸念もあり、関与するすべての職種が情報を共有し、それぞれが患者さんの立場からすべてを見ていくという姿勢やそれを支援するシステムが必要だという話をさせていただきました。

 最終的にリエゾンナースの業務フローに枝のように他の職種の業務フローとマニュアルが必要ですよね~ということで次回のミーティングをもつことになりました。
 リエゾンナースの潜在的な意味について私たちも研究をしていきたいと考えています。


「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」