よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

ルベンが雄弁に

今日はサントリーホールにルベン・シメオのトランペットを聴きにいきました。

彼はスペイン生まれで、13歳で国際的なコンクールで2位になって以来、巨匠モーリスアンドレに指導を仰ぎ、腕をさらにめきめきあげているということでした。

そもそも舞台では少年らしいハニカミをして、とてもかわいい感じですが、一度トランペットを吹き始めると、本当に語るような音色のトランペットを吹きます。いままでこんなになめらかで、暖かい音色を聴いたことがありません。

トランペットでも、こんな音がでるのかと感じました。演奏が始まったときに、よくここまでやったものだと、感動で思わず涙がでそうになりました。

一番すごいなと感じたのは、シエナ・ウインド・オーケストラとのコラボだったのですが、トランペットのパートの3名の大人が一番大きく拍手をしているのが客席からみえたことです。

自分よりも10歳から20歳以上(違っていたらすみません)は若いだろうという子供に対し、それも自分と同じ楽器を演奏し、高い評価を得ている演奏家を賞賛するのは、とても勇気の要ることでしょう。

しかし、体全体を使い、君はすごい、という表情で手を一番高く掲げて、大きく拍手をしていました。彼らの表情は、自分達がトランペットを吹くからすごさがわかるという気持ちで満ち溢れているようでした。

管楽器がベースでのコンサートはあまり来たことがなかったので、こんなのもなかなかいいなと思いだしています。

で、橘さん(指揮者)がルベンに「日本のみなさんに何か一言」と質問しました。そのときのルベンの返事は、「皆さんも楽器をきめてください。コツコツやれば私のように世界中の舞台に立つことができます」ということでした。観客はどっと沸いていましたが、それは無理だよねという自嘲ぎみでためいきまじりだったように思います。恥かしそうに話をしていたルベンが、そのときだけはキリとした表情で、キッパリと(雄弁に)話していました。

彼は7歳からトランペットを吹いているとはいえ、まだ16歳になりかけですので、計算的には9年しか勉強していここまでのことを言えるということは素晴らしいことだと思ったのです。

コツコツという言葉を聞いて、自分は何をコツコツしているのか振り返りました。考えても考えても、自分には、これだ、これを続けていこうというものがないことに気がつきました…。コツコツすることがいかに難しく、継続できないことかを痛いほど知っています。

今日を契機に再度コツコツやる何かを早めに見つけ、「コツコツしていこう」と思っています。

ルベン&シエナの皆さん。すてきな感動をありがとうございました。