よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

仕事がはじまりました

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 はじまりましたぁ~。1月になってから、毎日があっという間に過ぎてしまいました。4日にお客さんの新年会に出て、外部の人とお会いしてお話をしましたが、自分の仕事がはじまらないとなんか落ち着かないですよね。

 当社は初日はいつも8時30分始まりです。恒例ではありますが、東京事務所(表参道=写真は紀伊国屋ビルを裏からみた風景)で今年の経営方針を発表したのち、詳細なクライアント毎の打ち合わせをしつつ、札幌、大阪のスタッフに電話で挨拶。そうこうしているうちに、外部の営業チームが10時30分に来社。

 今年の営業活動について事業承継やオンリーワンクリニックをベースとした小冊子、HPでの告知、ターゲットを絞ったDM2000通及びテレアポ戦略推進のための議論。でもって顧問をしている会社の役員がご挨拶に来社し中断。
 さらに医療関連業者とのコラボ、銀行との連携についてのミーティング。

 ミーティング終了後、スタッフ皆でお弁当を食べながら、病院再生、会計導入、事業承継案件などのについての日程調整。会社を飛び出し、13時のアポ目指して地下鉄、JR乗り継ぎ新小岩に到着。ココチケアhttp://www.cocoticare.com/(医療法人明正会運営)で高専賃貸のミーティング開始。

 医療法人が行う高専賃の優位性は、家賃、介護事業、訪問看護ステーション、訪問診療で利益を複合的にあげることができること。しかし、DPC下及び療養病床廃止、転換時代において、今後は他の医療法人もメディカルホームの運営を行ってくる。何が差別化要因なのか。それは入居者に対する到達点の設定である。ココチケアの入居者は一つの思想に基づき総合的にケアされ、その状態のなかにおいて元気になることを志向しよう。

 個別介護というカテゴリーから敷衍されたあらゆる職種における個の深堀が行われるスキルを作り出すこと、それらが連携して付加価値を創出することについて議論されました。事例として、先日関連会社であるポルタミーロhttp://www.portamiro.jp/のサポートで行われたクリスマスコンサートにおいて、ココチケアのスタッフは、イベントを楽しんでしまっていなかったかという話になりました。

 ポルタミーロからは2名の音楽家が派遣されましたが、クラシックあり、日本の曲あり、童謡ありというなか、利用者ひとりひとりはどのような音楽に興味を示し、表情を変えたのかについて観察をしたうえで属性を把握し、記録を残したのか…という議論になったのです。音楽をひとりひとりがどのようにとらえているのかについて詳細に情報を把握するせっかくのシーンであったのに、というテーマです。

 食事、入浴、散歩、着替え、テレビ、音楽鑑賞、朝、昼、夜、それぞれのシーンに観察の視座があり、そこにはヘルパーさんはじめスタッフの個人的な感覚ではない、科学されたケアマネジメントのノウハウがある筈である。それぞれのオペレーションがマニュアル化されるのであれば余計にそこにおける個が浮き出てきて、その個がどのように行為を受け入れるのかという観察の視座がある、という議論になりました。

 職務基準やマニュアルにより、LSP(レーバースケジューリングプログラム)により、過不足なく必要な行為を行うこと。標準とのかい離を課題としてとらえ、スタッフの個人別カルテを作成し、教育の道具とすること、一方目標管理を行い、日常にマネジメントサイドからの課題をもちりばめ、業績をチェックしながら評価する。

 予定した到達点と現状の差を教育の対象とする、といった具体的なプログラムの整備も完成しつつあるなか、さらに実質的な目に見える、しかし科学的な仕組み(※)をつくり、利用者にベストの状況を提供する、ということについて詳細な話し合いが行われたのです。

(※)例えば管理者による外部業者のオーディットや、医師による外部業者に対する医療セミナーの実施、疾患から状況、主訴から状態、状態からADLの推移予想、観察から問題の早期発見、そして早期の連絡対応などなど、あらゆるオペレーションの場面での仕組み

 高専賃は単なる住宅の一形態であり、誰でも建築はできる。しかし、そこで行われるあらゆる行為が間違いなく比類なき優位性をもって地域に受け入れられることがなければ、ココチケアである必要がない、という結論になりました。

 ここには、どれだけ他に範を示せるのか、個人のモチベーションやスタッフ個々の質が高いだけではなく、一定の思想や他にまねのできないシステムを整備することで、成果をあげていこうという思いがあります。高専賃はたくさんあるけれども、何をもって満足していくのか、満足してもらえるのか。

 ココチケアが開設された地域においては、高専賃を中心に、地域の介護事業者や訪問看護ステーション、そして医師もが、何がベストプラクティスなのかを常に議論し、またココチケアのノウハウを学習し、自分たちの創造によりさらにクオリティを高めていくという活動が行われる。

 ココチケアが出た(進出した)地域においては介護や医療の質が向上した(傲慢ではなく、そうしたいという思いで誰もが活動することが必要であると考えています)、といわれるようにしていこう、と近藤理事長と新年の決意を語りあったミーティングでした。

 ふと時計をみると15時になり、渋谷への移動。16時アポのアパレルのクライアントに訪問し、役員にご挨拶。今年の経済動向や株価為替について意見交換。出退店の話を聞きつつ、四半期決算への対応や来期からの全部連結への移行に対する話し合い。でもって今年もよろしく的に会社をでて東京事務所に戻り社内作業。電話での連絡やメールでのやり取りを経て、事務所を出るという充実した一日だった気がします。

 明日から地方ですが、またまたバリバリ仕事をしていきたいと思います。不況をものともせず、今日から年末まで皆さん一緒に頑張っていきましょう。