よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

コストをどう削減するのか(1)

 いつの時代も、このテーマから組織が逃れられることはありません。間違いなく、永遠のテーマであると考えます。私たちが依頼されるコンサルティングテーマのなかには、必ずこのテーマが含まれています。
 今日は、ある病院でのWGで説明した資料の一部を提供します。


1.はじめに
 医療環境がとても厳しいものとなり、これからどのように病院を運営していけばよいのか、先が見えない状況となっている。どのような業態の病院であっても、必要とされる利益を出さなければ残ることができない時代になった。

 コストの本質を捉え、病院経営におけるコストがどのように発生するのかを根本から考え、確実に手を打たなければ成果をあげることができない。
 以下、コスト削減について説明する。

2.コスト削減には2つある
 コスト削減には、2つのかたちがある。ひとつは、コスト絶対額の削減であり、もうひとつは単位当たりコスト削減である。

3.コスト絶対額の削減
 コスト絶対額の削減は、絶対的にコストを削減することである。
   ①変動比率の低下
   ②固定費の削減
からなる。

 (1)変動比率の低下
 変動比率の削減は、医業収益が発生するに応じて発生するコスト比率を低減するものである。具体的には薬剤、医療材料や消耗品等が該当すると考えることができる。

 医療材料については、スペックを落とす。術式を変えるといったことが考えられる。
消耗品についても使用するケースによりスペックを落としたり使用する量を制限したりすることが考えられる。

 医療材料も消耗品も取引先の集中での購買による単価引き下げが考えられるが大量に購入して価格を引き下げることはナンセンス。
   
 もちろん無駄をなくすということについても考える必要がある。ロスや破損、汚損といったことがないように気をつけなければならない(続く)。