よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

蜘蛛の糸とエスカレーター

イメージ 1

イメージ 2

 エスカレーターに乗るとき、いつも芥川龍之介の蜘蛛の糸を思い出します。

 一度だけ善行を成したことがるカンダタを助けてあげようと釈迦が蜘蛛の糸一本を下してあげるのですが、あとからついてきた地獄の罪人たちがブル下がっているのをみて、下りろと叫ぶと糸がきれたという話です。

(1)小さな蜘蛛を踏み殺そうとしたけれども思いとどまり、蜘蛛の命を助けてやったカンダタ

(2)自分のことだけを考えて、他の罪人がくるのを阻止しようとした無慈悲なカンダタ

 私は、意図的に虫を殺したことがありません。一寸の虫でも五分の魂という言葉も脳裏を横切るからです(実は、「小さいものでも命が大切だという解釈は間違いで、「わずか一寸の虫でも五分という体の半分にもなる魂を持っている。小さい者や弱い者でも相応の意地や思慮があるから侮ってはいけないということ」、という意味であることを最近知って、少しがっかりしています)

 おっと、話をもとに戻しましょう。

 ということで、小さな虫を小さいときから助けるようにしています。また、自分のことだけを考えて行動するのはやっぱりやばいと思い、いつも蜘蛛の糸の話を思いだしているのです。

 で、エレベーターに乗るときには、われ先にと東京では右側、大阪では左側を思いっきり走る自分が、少し心配になります(大阪は香港のエスカレーターと同じ側に立つのですが…)。ということで、健康であるためにも、横の階段をできるだけ登り、蜘蛛の糸を登らないようにしています。

 小さいときのお伽噺というか、物語は大きく影響を与えるものですね。そういえば、猿蟹合戦とか、泥船の話とか、カメとウサギの話とか、アンデルセンの醜いあひるの子とか、裸の王様など…。何かと思いだし、無意識のうちにそうならないように行動しているのだと思います。

 でも、こうしてみると、本当に何のために、皆がこんなに急いでいるのか…。よく考えなければならないですよね。