よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院改革について(2)

(2)組織生産性の向上
 次に行われるべき事項は以下のものである。

①人員配置見直し
 各部署がそれぞれの機能を最大限発揮できる体制になっているのかどうか検討します。具体的には経験年数や個人のスキルの調査を行った後、業務量分析を行い、部署別人員配置が適切かどうかを管理することになる。

②組織間コミュニケーション活性化
 部署毎のコミュニケーションがとれているかどうかを、個々の部署長との面談を通じてあぶり出します。リスクマネジメントやパス運用を通じて業務改革課題を抽出することも視野に入れる。組織間のコミュニケーションが正しくなければ生産性は落ちる。
  
③個人スキル向上のための仕組みづくり
 Ⓐ職務基準
  仕事の明確な基準をつくり 

 Ⓑマニュアル
  その説明のために、マニュアルにて詳細な説明を行い、 

 Ⓒパス
  の各項目を説明する資料でもある。さらに、 

 Ⓓリスクマネジメント
  を通じて個人のスキルを向上させる。
  教育については、職場内教育の仕組みを徹底するとともに、集合教育については病院のなかでプライ  オリティをつけた集合教育の体系をつくり、
 
 Ⓔカフェテリア教育システム
  により、誰でも教育の機会を与えられる場をつくりあげます。例えば看護部においてはプリセプティ  ンやラダーといった項目を持っている。
  しかし、それらだけではなく、とりわけ監督職以上対象にて、
 
 Ⓕ中間管理者教育を徹底する
  ことで、組織コミュニケーションを活性化し、リーダーシップを確立し、職務基準により徹底する
 
 Ⓖ個人別カルテを作成し
  個人スキルが修得されたり発揮できたりする環境を整備することにななる
   
 【到達点2】
 目標をもった組織に所属する職員が、当院は仕事がやりやすい、と感じられる仕事の仕組みの見直しと、個人の技術技能向上を目指す。業務改革と教育が中心的な実施事項となる。

(続く)