よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

猿ものは負う

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 先日、ある町に行ったときに、この光景に出合いました。多くの人だかりができていました。
 猿回しといわれるものです。

 しかし、そこには猿を回す、といった動物虐待的なイメージはなく、きれいな女性にひもを付けてもらっている猿が、丁寧な扱いを受け、しかししっかりと顧客を視野に入れて、芸を披露していました。

 芸も高度で、なんともいえない表情や態度を芸というのであれば、三文役者よりもレベルは上ではないかと思える高い精度をもった舞台をつくりあげていました。

 普段はきっと優しくない女性にしっかりとしつけられた猿は、きっと背中に大きなものを背負っているのだと思います。野生にいれば、もっと違う生活をしていたのではないか。しかし野生にいれば食うに困ることもある。やはり拘束されようと人の手のなかにあり、芸を披露していれば生活には困らないと考えているかもしれない、と思ったりしました。

 何れにしても、何かを背負った猿を、普段ストレスや重圧のなかで生活しているかもしれない人間が、優越感をもってみているとしたら、もしかしたらそれは反対なのではないかと考えたりしました。猿は背中に何かを背負いながらも、見られていることへの喜びや、芸を披露しつつ、生活できる安定のなかで、人間達と対等以上の位置にいるのかもしれません。

 私達は猿を見ながら、実は自分達は、いつも何かにつながれ、何かを背負って厳しく生きて行かなければならない。彼のように、生活が安定しているわけでもない日本において、観衆の笑顔や優越感は一瞬の錯覚なのではないかと思ったりしたのでした。

 真実はいかに…。