よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

地域完結型医療(4)コストを意識した人員配置

mimiさんから、『実際問題として、好きな時間に来院される患者さまにたいしてコストを意識した人員配置はどのようにすればできますか?…具体例がありましたら…』というお問い合わせがありました。
ご質問ありがとうございま~す。

さて、これは外来のこととして考えれば良いのでしょうか。ですね。
1.好きな時間といっても診察時間の範囲は決まっている
2.診療科が複数ある
3.病棟がある
4.手術室がある
5.ICUがある
6.予約制を入れていない
といったことが前提であるとします。これは一般的な病院の例ですよね。

医事、経営企画では科別の外来患者数を把握しています。医師別曜日別に。電子カルテを入れているとどのDrが一人の患者さんに対し何分診療しているのかについて把握できます。勿論曜日や先生によって日々の患者数は変化しますよね。

したがって、曜日、個々の医師の外来、検査、手術、病棟といった医師のシフトに合わせて患者数が増減することになります。

好きな時間に(予約なしに)来院する患者さんが統計的に把握できないほどイレギュラーである場合にはこうした指標による人員配置はできませんが、しごく当然のことですが、こうしたかたちで外来や他のシフト(人員配置)が行なわれます。

それで統計的に把握できないほどイレギュラーな場合には、病棟やICU、さらに他科の状況により、それぞれの部署から応援が行なわれてその瑕疵(かし=問題)を排除するといった対応が行なわれてることが一般的です。

我々が目指しているのは仕事の仕組みの見直しと個人の技術技能の向上のためのマネジメントです。これら2つは医療の質を担保する重要な要素ですが、これらを改善することにより、人員が少なくとも多くの付加価値業務をこなす体制ができあがる。業務量が増えてもその状況に対応できる、といった状況をつくりあげます。

優秀な外来看護師さんを育成することで、一定の幅のなかで業務に変動があったとしても環境に適合できる状況をつくりあげることが必要です。

コストを意識するということは、病院が、常に医師や職員の仕事振りを意識することであり、そのために
いくつもの仕掛けをつくっておく必要がある、その場での対応には限界がある、ということでもあります。ご参考になったかどうか(汗)