よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

経営方針や戦略立案の組織幹部による十分な検討

 以下、穏やかな、しかしスマートなリーダーとしてリーダーシップを発揮するトップがいる病院でのレクチャーの資料です。

1.はじめに
 目組織目標を達成するために目標管理を運用します。したがって目標管理を運用したにも関わらず、目標が達成されないのでは意味がありません。
 目標を達成できる目標管理とするためには、以下を実施する必要があります。

2.目標管理の目標に対する議論
 本来は幹部にて議論を行い、病院として事業計画をどのように捉え、そしてどのように実施していくのかについて十分に納得しておく必要があります。

貴院であれば掲げた目標が
①各部署にはどのような課題があるのかの収集

②当該課題を任務にどう合わせていくのかの検討

③どの部署に、どのように実施してもらうことが必要かについての仮説立案

④具体的に何を行うことが必要かの議論

⑤病院としてどのように支援すればよいのかの検討
が必要です。

 その部分が明確でなければ、面談時に病院としての共通意見を述べることができず、各部署が相互に話し合いをすること(コンフリクトをもこの段階で当該部署の課題として計上すること)すら、困難になります。

3.面談時の対応
 そのうえで、面談時、
⑥各部署別に出してきた目標が上記を網羅しているかどうかについての検証

⑦各部署の目標の総和を以ってすれば、事業計画が達成できるかどうかについての検討を行う必要があります。

⑥と⑦が十分でないときには、①~⑤までを説明し、現場から上がってきた部署目標に付加する、あるいは調整するかたちで目標を修正していくことになります。

 そして毎月の管理者会議で、その達成状況及び必要事項の必要部署への指示を行います。
ただ、当初の計画が上記を網羅するかたちで、設定されていることがなければ途中で追加的に実施することが多くなります。

 当初から計画のなかに必要十分な行動計画が織り込まれていることを確認したうえで、次に進むことが必要です。

4.毎月の管理について
 毎月の管理者会議において、各部署の目標達成進捗状況について検証を行うとともに、支援しなければならない事項については病院としてどのように支援していくのかを決定し支援していく必要があります。

 事務部は他の各部署の役割が果たせるように活動することを求められています。目標達成が当該部署でしか行えない部分以外についての調整を図ることができるよう意図する必要があります。

5.まとめ
 目標管理制度は、病院としては病院の掲げた方針(任務)を果たす道具ではありますが、各部署長にとってみれば、自分の役割を果たすための支援ツールであると理解する必要があります。

 目標管理制度があることにより、部下と目標達成行動をとることが可能であり、成果をあげることが容易になります。仮にこの制度がなければ、目標を達成するために孤軍奮闘しなければならず、いかに目標管理制度が便利なものであるのかが理解できます。
 
 目標管理の意味を十分に理解したうえで、従来と不足していた部分についての補足、あるいは追加的活動を行なうことで、徹底した対応を行っていく必要があります。