よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

能力考課のための職務基準

看護部の職務基準の一部です。
 
的確な排泄器具の選択・取扱いができ、患者の状態に合わせて排泄の介助及び後始末ができる
プライバシーに配慮しオムツの交換ができ、排泄後の保清ができる
状態に合わせたベッドメーキングができる
安全や清潔に配慮した病室内の整備ができる
患者の状態に配慮し必要に応じて病室内の環境整備(湿度、温度、採光、臭気、騒音、換気等)ができる
状態に応じた方法で、正確に体温・脈拍・呼吸・血圧の測定ができる
状態に応じた方法で診察に必要な各種身体測定が正確にできる
プライバシーを考慮して各種排液量の測定ができる
目的に応じた検体容器が準備でき、保存方法を理解できる
検体採取の目的を理解し患者に目的と方法をわかりやすく説明する事ができる
患者に負担をかけずに適切な方法で血液の採取ができ、決められた手順にて取扱いができる
プライバシーに配慮し尿・便の採取が正確にでき、決められた手順にて取扱いができる
患者の状態に合った方法で痰を採取し、決められた手順にて取扱いができる
安全、安楽に配慮し、検体の採取ができ、決められた手順にて取扱いができる
記録の役割の意味を理解し、適正な用語、当院で決められた略語を正確に記録ができる
経過表を正しくもれなく作成できる
患者に的確で丁寧な入院時のオリエンテーションができる
患者の一般状態の把握が的確にできる
患者・家族・紹介医から病歴を正しく聴取する事ができる
患者が服用している薬の確認が出来る
患者・家族に対して正しく丁寧に説明ができる
退院時に患者に個々に応じた退院時指導ができる
患者・家族に「観察」が必要である事をわかりやすく説明し、協力を得る事ができる
バイタルサインを正しく測定・観察する事ができ、異常の発見と報告ができる
正しい意識レベルの確認ができ、異常の発見・報告ができる
水分バランスの確認ができ、異常を発見・報告ができる
ADLの状態を正しく把握でき、異常の発見・報告ができる
病室を巡視し異常がないかどうかの確認・報告ができる
患者・家族からの情報を収集し、その中から看護に必要な情報を抽出する事ができる
精神状態を正しく把握し、異常の発見・報告ができる
患者・家族の社会的背景について不快感をあたえずに把握できる
患者の状態に合った洗髪.整髪方法で援助ができる
患者の状態に合った洗面方法(マウスケア含)で援助ができる
患者の状態に合ったひげそり・爪きりの援助ができる
患者の状態に応じた寝具の交換・ベッドメーキングができる
患者の状態に合わせプライバシーに配慮して清拭(全身・部分・足浴・手浴)ができる
患者の状態に合った入浴・シャワー浴の援助ができる
患者の状態に合わせプライバシーに配慮し不快感を与えずに陰部洗浄ができる
 
これら項目が数百にも上ります。こうした職務基準により教育や能力考課を実施している病院は、よい病院の入り口に立つことができる(これがあればよい病院であるというほど、病院の仕組みはシンプルではないという意味です)病院だと思います。