よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

時間は自分に与えられた唯一無比の管理可能な資源である

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 時間をどのように使うのか、使ってしまうのか。人は自由に自分の時間を管理できます。

もちろん、さまざまな制約により、自分が思うように自分のしたいように時間を使えないことが多くありますが、元をただせばそうした使い方をすることも自分で選択したことだとすれば、それも自分のコントロール下にあるということができます。
 
 例えば組織には達成すべき組織の目的があり目標があります。その組織に身を置くことを決めたのは大抵の場合自分であるし、仮に望まない場所に自分がいたとして、そこに置かざるを得ない状況にしたのも自己に帰責されるべきものだと考えます。
 
 自分がどのように時間を使うのかについて計画し、それを実行することのなかで、意にそぐわないことが起こる可能性を排除することができます。長期でいえば、自分のヴィジョンを描き、計画的に着実に行動することが必要です。それではもう間に合わない、ということを考えるのは早急です。未来はすべてこの瞬間が連続的につくり出しているからです。
 
 一度決まってしまっていることを覆せないことはありません。とりわけ自分のことであれば、少しでも自分の望む方向に進めていくことができます。気が付いたときから決意し、計画を立て行動することが必要です。1年間が適当な区切りではありますが、6ヶ月、3ヶ月、1ヶ月、そして1週間と期日を区切り、そこでの活動を自ら望む方向に誘導することが可能です。
瞬間、瞬間をうまく活用することも可能です。
 
 仕事においては、意思をもち自らの力をつけることが時間を管理するため重要な事項です。何事にも、「はやく」、「うまく」、「やすく」できるための力を身に着ける。そして現状自分の力ではどうしようもない仕事の仕組みやながれをどう変えていくのかが次のポイントです。人間関係や制度、ルール、文化風土といったことが対象となります。それらがどうあるべきか、どうすれば、変えることができるのか考え行動し続けなければなりません。

まずは自分が組織に欠くことのできない人間(資源)になることが有効です。
 
 その分野で、工夫をする、創造をする、今まで以上に患者さんの役に立つ、上司の役に立つ、組織の役に立つためにはどうすればよいのかを考え、計画し行動することでそこに到達します。小さな成果の積み重ねは自らを成長させ、満足や達成感をつくりあげることができます。

何れにしても、どのような環境におかれようとも自分が時間を効果的に活用し、決めたことを行い、人生を過ごす人と、組織のなかで翻弄され、また組織に馴染みながら自分を押し殺し、あるいは失い、あるいは蹂躙されながらも、時のながれるままに生きていくのかは自分が決めること。
 
 もちろん、上記にあげた組織において、人間関係や制度、ルール、文化風土などに起因する、さまざまな問題があるなかで、医療や介護の現場がいかに大変であるのかはよく知っています。
  
 しかし、日本において医療や介護はまったなしの環境にあります。財政逼迫に起因する医療制度改革や消費税の問題だけではなく、少子高齢化が医療や介護に与えるさまざまな問題が惹起しています。医療や介護のこれからの在り方が今問われているのです。
 
 既に組織貢献しているし、治療や看護、そして医療技術、そして事務を通じて日々懸命に頑張っていて、それで達成感を得ている、満足している、という人もいるのだと思います。しかし、本当にそれ以上できないのか、もうぎりぎり限界であるのかを反芻することが必要です。本当にそうであることもあるので、それであればこの説明はここで終わりです。
 
 
 ただ、自分が動いてもどうせ何も変わらないと考えたり、自分が留まれば、あるいは進化しなければ、何もはじまらないし、後退してしまうことを判りながら、もしそうするのであれば、医療人としての自らに反逆だけではなく、社会により貢献すべきときを逃すことにもなりかねません。
 
 少し言い過ぎかもしれませんし、失礼であるかもしれませんが、そのくらいの思いをもつことが求められているのではないかと思います。

これは私自身の問題でもありますが、時間をうまく使おうとする意思が一定の行動を喚起し、医療や介護において何かを変えていくための重要なきっかけになるのではないかと考えています。