足元を固める必要があります。
まずは、自分のなかでの強み(主観的強み)を認識することで足ります。自分が本当に好きなことが強みになります。本当に好きなことであれば、寝食を忘れてそれに没頭できる筈ですよね。そうすれば、それは自分の得意なものになり、必ずいつかは本当に強くなります。
「いつかは」で納得できないのであれば、いつまでに自分がここまで行きたいというレベルに到達できるよう、期日を決めて行動すればよいのです。
なお、得意だけど好きでないこと、好きではないけれど出来てしまうことも強みかもしれません。人よりも明らかに長けていることは強みです。長けているかどうかも、自分できめればよいと思います。でも、好きなことを強みにするのが一番幸せですね。
ただ、自己満足の可能性もあるので主観だけでなく、客観的に評価されることも必要です。そうすれば強みは真実に近づきます。何かの強みに対しどれだけの評価を得られるのか、自分の好きなこと、得意と思うことを、常に他人の目にさらすのが大事です。
客観的レベルの評価(客観的強み)を得たのち、それよりも上に目標を設定することも大切です。これが自分の強みなんだと自覚し、他者からも評価され自信をつけて、それをさらに伸ばそうと行動することで、より強い力になるからです。
ということで、好きなことと、うまくできると思われるものを見極め、それに力を入れることが強い自分をつくる第一歩です。そこから絶対的に高い評価を得ることができるように、それらを高めていく。それは自分の仕事の軸になり、また生活の柱にもなります。
趣味が認められて仕事になるということもありますが、一般的には仕事のなかで強みをつくり成果をあげて評価され、登用されるということのほうが多いでしょう。
いまの仕事を一つ一つ強みにして成果を上げ、認めてもらえるようレベルを高めていくことが必要です。
最終的にはその道のスペシャリストになること。独立していても組織にいても、この段階になれば、間違いなく自立できています。一目置かれることや、説明したようにそれで「飯が食える」といった状況もつくれます。
ここまでくれば、さらにそれを深堀りするか、水平展開するかを考えることができます。一つの強みを核として、連関した領域において次から次へと自分を成長させることができるようになります。ポイントを掴めるスキルも身につき、ゼネラリストとして活躍もできるでしょう。
自信をもって強い自分をつくることができる段階に到達できます。
力があるのに発揮できない、メンタルな問題があるケースも、十分に考えられます。他の心配や健康の課題があるときには、それらを事前に改善する必要があります。ただ、本来はこれらは日頃から留意し、そうならないようにしておくことが大切ですし、そうできるようにセルフコントロールしようと思うところから、自分を精神的に強くする闘いが始まります。
必要なことは、ささいな好きなこと、ちょっと人よりできることを見つけ、徹底してそれらを深堀すること。これができれば、誰でも可能性をもてます。多くの仕事でうまくいった人をみていると、努力を人の何倍も行うだけではなく、紆余曲折はあるものの、これと決めたものに力を入れて一点集中、一点突破を図っています。
日々懸命に仕事に取り組むとともに、到達点を決め、いまをみて、何が不足しているのかを評価したうえで、計画的に何かを継続する。前述したように、そしていつまでに何をどのように達成するのかといった期日管理を行うことが有効です。
選択と集中を行うこと。あらゆる意味で厳しい環境を迎え、その状況をつくれる人でなければ、時代を乗り越えていくことが難しいと考えています。不確実で不安定な時代、もちろん利己的になってはいけませんが、まずは、自分が強くなることを考え行動する必要があります。
なお、そうはいっても現実には、好きではない、また得意でもない仕事もしなければなりません。他のものすなわち、好きでもない、長けてもいないものについても、仕事として、義務として、役割としてしっかりとよい成果をあげていかなければならないのです。
そんなときでも好きなことを封印するのではなく、いまの仕事は仕事で自分に与えられた役割を果たす。その上で自分の時間や仕事のなかに、好きなことや比較的長けていることを織り込みつつ力をつける、というやり方 で自分の土俵へ仕事を誘導することも可能です。
いずれにしても、好きなものと、比較的得意なものを明確にして、それを伸ばし成果をあげてスペシャリストになるといった一連のながれをイメージし、第一歩を踏み出すことが求められます。
と、考えてきましたが、この10年を振り返り自分の思い通りに強みを伸ばし仕事ができたかというと疑問があります。結局、ここで書いたことは一生かけても満足できる場所には行けないことなのかもしれません。
これからも前向きに、挫折と挑戦の繰返しの人生を、自分なりに続けていきたいと思います。