診療所経営の大切なポイントは、患者から評価される医師のパーソナリティと、スタッフの気持ち良さであることは誰もが承知しています。この二つの要素が地域で評価され来院した患者がリピートするかしないか、新患が増えるかどうかが決定されます。同時に地域で評判が増殖し、新規患者が増え続ける状況をつくる要因にもなります。
当然ではありますが、患者に媚びたり、阿る(おもねる=気に入られるようにする)ことではなく、患者が、医師はこんな存在であって欲しい、スタッフはこんな対応をして欲しいというニーズを知り、それを徹底することが必要となります。
- 親しみやすい
- 優しい
- 説明してくれる
- 自然の笑顔
- 信頼できる
が医師への期待であり、スタッフには仕事が迅速である、丁寧であるといったことを求められると言われています。
それらは、考え方を変えることで対応できることと、仕事の仕組みを変えなければ達成できないことに分かれます。
例えば、一部のスタッフ本人の意識は高く早く仕事ができるにも関わらず、
- カルテが回ってこないので医事計算ができない、
- 院内処方で、調剤が完了しないので会計ができない
といったことなどがそれらです。本来行われるべき業務が、通常の時間で終わらない、不効率であるといったことで最終処理の段階にいるスタッフが割を食うことになります。仕事の前段階の処理が遅延しているために、最後の患者と接点をもつ担当者が批判されたり、悪い印象をもたせることの事例です。
ここから理解できることは、どの立場や職種であったとしても、自分の仕事が円滑かつ質高く行えるよう訓練が行われる必要がある、ということです。まずは自分が就いている仕事でプロになることが求められています。そのためには、
- 業務マニュアルを作成する
- ルールをつくる
- 業務改善を継続する
- チェックシートをつくる
- 評価・教育を行う
ことで質の高い仕事が円滑に進められるようにすることが有益です。繰り返しになりますが適切な医療を行う医師と、その指示のもとで本質を捉え、
- 笑顔で
- 正確かつ迅速、そして
- 丁寧に処理できる
プロスタッフが、診療所繁栄のための「よい噂」をつくることを再度認識しなければなりません。
院長は診療所運営における課題を発見し、上記を視点とした組織改革を果敢に行うことが必要です。あらゆる業種でも同様ですが、仕組みの見直しと個人の能力向上が改革のテーマです。マネジメントの巧拙が問われますね。