よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療事故防止は患者さんの協力も必要です

財団法人の日本医療機能評価機構が病院の評価を行い、結果を発表しています。
業界では機能評価といって略していますが、いまからちょっと前、この評価をとっておかなければ、未実施減算(とっていないと病院収益が落ちる)になるといった噂がでて、みんな必死になってとろうよ、っていう傾向がありました。現在1563病院がこれを取得しています。全国で9000程度の病院があるなかで、これをとっているところの比率が多くなってきました。よい病院の見分け方の一つとして、受付の横のあるいは近辺の掲示板に機能評価の取得した証明書が張ってある病院は、まあまあやるきがある病院です。しかし、こうした病院でも形式的に評価を取得することが目的になってしまい、のちにできていないことを補完するために、当社がコンサルティングに入るケースがほとんどです。

1.3病院組織と管理体制
  病院組織規程がある
  事業が計画的に運営されている
1.4病院職員の教育・研修
  医療に関する職業倫理についての教育が行われる
  事業に関わる教育が行われている
  教育・研修の体制が整備されている
1.5患者の権利の尊重…

といった具合に評価の詳細が決まっておりそれについて、評価はどうであったのかについてがネット上で公表されています。こうした評価は病院評価を行うときの基準のひとつです。
みんなみてから病院いこうね。

ただ、今朝の日本経済新聞にでてたけど、医療事故の報告がありました。我々の考えでは病床の2倍はインシデント(未遂)、アクシデント(事故)が発生しています。200床の病院であれば400件っていうところです。病院は皆さんが知らないけど、事故だらけです。人間がやることですから。事故のレベルもありますが、患者さんになったら、自ら事故を抑止するよう病院の職員と協力して治療を受けることが期待されます。事故を自ら予防する気持ちをもつことが患者さんの入院や外来においての心構えであることを理解しなければなりません。
病院やスタッフも努力しますが、患者さんも積極的に事故抑止をする必要があります。安心して心身ともに任せてしまうのは少し問題かなって、いつも病院の医療安全対策委員会やリスクマネジメント部会に参加して思います。

事故撲滅のために皆が協力して良い医療ができる体制をつくりあげていかなければなりません。
ふ~。大変な時代です。でも昔は事故が表にでなかっただけですから。今は事故に対する意識が高まり、弁護士が増加し、医療過誤訴訟が増加してきているので、余計、事故が注目されているにすぎません。

なお、病院機能評価をクリヤーした病院は意識は比較的高いです。完璧かどうかは別ですが…。