よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2005年を振り返って(2)

先ほどの(1)はコンサルティング先の経営方針書の一番はじめに記載したトップの所感です。
さまざまな改革テーマを記載したのち、最後にトップから依頼を受け、まとめを書きました。
それについてもここに開示します。

『「はじめに」に記したように、日本経済は回復の兆しが見えるものの、まだまだ本格的な回復基調にのったわけではありません。それどころか2007年から日本国民の人口が減少に転じるばかりか、ご承知のように高齢化が進み、経済活動を行う日本人が益々少なくなってきます。

景気が悪く企業や個人からの税収が拡大しないため、日本国は国債を発行し続けていますが、国債を通じて増える日本の借金は日本が持つ金融資産に徐々に近づき、借金が資産を超えるという経済破綻の時期も着実に近づいているといわれています。

そのなかで、構造改革が進展するとともに、社会福祉予算や公共工事予算も削減され、国頼りの事業は成り立ちづらくなる時代が到来しました。

人材派遣や請負を生業(なりわい)とする当グループにおいては、明らかに環境はマイナスとして働いています。

今回の経営方針を徹底的に学習し、具体的な活動を進めていくなかで、社員や幹部が成長しこのような環境変化に対し柔軟に対処できる体制を早急につくりあげていく必要があります。

そうした活動を行わないことは、現状に留まるということではなく後退を余儀なくされるということであり、企業の衰退を迎えるもの以外の何者でもありません。勝ち残るためにも、昨年つくりあげてきた体制とながれや勢いを踏襲するとともに、より一層増幅し、今年に活かしていく必要があります。

危機感をもち、しかし背中を丸めて萎縮するのではなく、社会に貢献する企業であるとの自信と誇りをもって、当グループの社是や理念、そして基本方針を背景に、業務戦略行動をとっていくことが期待されます。   

改革と創造を成し遂げるスタートの年として今年をとらえ夢をもって活動していこうではありませんか』

我々は病院に関わるものとして、そして医療周辺で仕事をする者として、一般の企業トップが考えていることを病院においても同時に考えることが必要であると考えています。この時代を乗り切るために何をしなければならないのかについて十分に議論する必要があります。