よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

かかりつけ医(3) かかりつけ医ネットワーク

診療所の基準が厳しくなります。今日の日経新聞の1面には、有床の診療所(19床以下=20床以上は病院)の医師の定数や看護師の定数に基準がなかったものを、病院と同様の基準をつくり、診療報酬をあげるとともに、病院の基準に近づけようとするものです。

明らかに無理な話であり、結局は有床診療所は無床になりなさい。入院は病院ですよといったことになってくるわけです。但し小さいながらも特殊な手術をしている診療所で人員配置ができるところは別であると考えます。

現状診療所の有床ベットは療養型的にベットを利用している例やベットがあっても、結局は利用していないところが多いとも聞いています。また、一方で産科などは少ないながらも地域で重要な役割を果たしているところもあるでしょう。

より役割を明確にし、初期のプライマリー的な医療を行うことのみが診療所のポイントになってくるわけで、なかなかやるな~っていう感じです。これから診療所がますます開業してくるなかで、無床の診療所だけになるということになるでしょう。特徴を出すのは手術でも入院でもなく、家庭医として地域住民の健康管理を行う、私のドクター、私達のドクターということになるのでしょう。益々ドクターと家族、住民との関係が濃くなっていくことになり、また濃くならなければ診療所のファン、すなわち患者さんがつかない診療所になるでしょう。

囲い込みがある意味行われることになります。診断技術や薬剤に対する知識、いまの医療に対する新しい知識も、そして簡単な検査をもちろん行うことや、また場合によっては日帰り手術といったものを即効行うことになるとも考えられます。
あとは、国が在宅に力を入れるといっているわけですから、診療所の医師が在宅に向かいやすいよう、有床での経営から在宅医への誘導を行っているとも思います。

官僚の方はみんなよく考えますね。

何れにしても診療所の先生は、やっぱり医療の質の向上をベースとして、地域住民の徹底的な健康管理に対するデータベースをもったうえで、診診連携、病診連携についての議論を行うことになります。
モールのように集合した形態で医療展開する場合であれば余計、一般的な場合であっても連携が重要なポイントになるでしょうね。

医師もネットワークが必要です。かかりつけ医ではなく、数診療所がネットワークをつくりすべての診療所が地域住民を診ることが必要です。

一人の内科医がかかりつけ医になるのではなく、いくつかの診療所が集まり(物理的ではなくとも)
数人の医師で全的に地域住民を守るかたち、診療所のネットワークによるかかりつけネットワーク。さまざまな地域で実験も始まっています。