よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

診療所と介護

 昨日は北九州で講演会でした。S社の会員セミナーでしたが、30名弱の医療機関のが方が集っていただき、診療所がこれからどのように活性化していけばよいのか、そして介護事業とどのように絡んでいけば良いのかについて2時間お話をしました。

 ここのところ講演会が続いていますが、どちらかという急性期や療養型の病院の方々を対象でしたから
久しぶりの診療所と言う感じでした。でもお客様のなかに数病院、急性期と療養型方が含まれていましたので、地域連携での診療所との関係や、院長ドクターが数名いらっしゃったので、急性期病院でのDPC、療養型病院での4つの問題解決策について説明しました。

 昨日のPPTの目次は次のものです。
1.診療所をとりまく環境の確認
(1)療養型病院が減少
(2)急性期病院が淘汰
(3)開業増加
(4)競争激化
(5)介護施設の淘汰
(6)シルバーマンションの増加
(7)在宅医の役割増大
2.診療所はどうあるべきか
(1)家庭医としての役割増加
(2)地域医療の要としての存在
(3)急性期病院との連携強化
(4)施設との連携強化
(5)居宅との連携強化
(6)介護事業者との連携強化
3.地域連携の重要性
(1)医療連携
  ①急性期病院
  ②他診療所(ユニット化)
(2)介護連携
  ①施設
  ②シルバーマンション
  ③在宅
(1)と(2)のニーズでは、(2)のニーズ増大
4.地域における役割
(1)地域住民の健康管理
(2)家族すべてのかかりつけ医
(3)診療所ユニット形成による一次医療の徹底
(4)二審体制での対応(診療科、医師が異なれば同日初診料OK)
(5)病院におけるカンファレンスを通じた知識の修得
(6)介護サービス事業者への営業活動
5.介護事業とのコラボレーション
(1)24時間療養支援診療所としての協力体制整備(在宅療養支援診療所)
(2)在宅医としてのノウハウ確立
(3)介護施設への巡回訪問
(4)シルバーマンション建設への協力
(参考)主要要件
(1)保険機関として24時間体制及び医師情報を文書による提供
(2)訪問看護の担当看護職員の情報を文書による提供
(3)緊急入院体制の確保
(4)ケアマネとの連携
(5)在宅看取り数の報告他
6.診療所としての独自性確立
(1)地域で抜群の知名度づくり
(2)ドクターとしての信頼性確立
(3)懸命な姿勢づくり
(4)地域での協力体制整備(急性期・慢性期)
(5)外来二診体制づくり
(6)外来と往診の2本立て
(7)地域イベントへの積極的参加(企画)
7.診療所増患対策(1)
8.診療所増患対策(2)
9.診療所増患対策(3)
10.診療所増患対策(4)
11.営業対策(1)
12.営業対策(2)

 この講演会では、医療の原点に帰り、徹底的な質をあげていくことが患者から選ばれるおおきな条件となる、という説明をしました。最終的には奇をてらった技法ではなく、医師や医療従事者が地域に浸透し、地域住民の健康管理を行い、安心して健康で豊かな人生を送ることができる環境を診療所がつくっていくことが必要である、という結論です。

 介護についても新しい概念で、我々が科学的な介護システムをつくりつつある事例の発表をしました。
これから大きく社会保障が変わってくるなかで、質の高い医療介護の仕組みをつくり、大きながなれをつくりあげることが我々の役割であると、考えています。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」