よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

あっという間に時間が経ちました

 8月の過ぎるのは早いですね。8月に入り夏だな~と思っていたらお盆が過ぎ、そしてもう秋の気配が感じられる気配になってきました。今は函館から札幌に移動し、オフィースで寂しく記事を書いていますが、北海道もなんとはなしに夏ではありながら、夏の終わりの準備に入っている気がします。とはいうものの、残された1週間をどう過ごすのか、今日は3時間30分の移動の列車のなかで、計画を立てていました。

 9月1日には大阪支社を開設するために、開設のための準備やスタッフとの打合せをしていますし、また、東京も新しいスタッフを迎えて次のステップに進む用意をしています。

 ここにきて、療養型病院を譲りたいという案件も多くでているし、ファンドや証券会社、さらにはブローカーからこんな病院はありませんか、あるいはありますがどうかできますか?といった案件が頻繁に持ち込まれるようになりました。

 療養型病院は明らかにやばい状況になっているところが増えてきています。今後、在宅重視の状況のなかで、多くの商社やゼネコン、不動産会社はシルバーマンションの建設をコアにした地域開発やSPCベースの不動産投資の案件のなかにシルバーマンションを入れた対応をしてきています。

 弊社のクライアントの介護事業者も3月のオープンに向けてシルバーマンションを利用した新事業の展開を図る準備をしていますが、そこでのオペレーションやITを駆使した質の高い個別介護(我々は新介護と読んでいますが…)への取り組みについての検討もスタートしました。従来にない比較優位のある介護事業について、新領域の開拓をすることになっています。
 
 在宅誘導政策のながれを理解しつつ、急性期病院への取り組みを行なうとともに、療養型病院の再生、有効活用、リート化に向けた対応等、さまざまなながれがありますが、精一杯、そして力のかぎり、これらの案件に創造的に対処していこうと思います。

 ただ、一つ心配なことは、個々の病院の危機意識のなさです。職員の方は、自院しかみえないのは当然ですが、環境がどのように変化して、自院にとって何が成長阻害要因であるのかについて、また改革しなければならない事項であるのかについて真剣に議論し、行動しなければならないと思います。制度に翻弄されるのではなく、医療看護の原点に戻ることが必要です。

 いまの状況を客観的にみれば間違いなく国民の行き場がなくなってくる予感があります。医療機関や施設のあり方を、患者の立場にたってみていけば、今自院は何をすべきなのか、もっといえば、自分の部署は何をしなければならないのか明らかです。

 過度な危機感をもつ必要はありませんが、より質の高い業務を早急に展開していくために自らの業務を見直してみる必要はありそうです。

「ドクタートレジャーボックス同時掲載記事」