よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

殻の剥けないゆで卵

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 今、札幌の本社にいます。さきほど株式会社モロオの90周年記念式典から会社に帰りました。90年7代にわたって連綿と経営が続いてきた薬の問屋さんです。

 北海道を地場として業界でもトップクラスの規模を誇ります。何にもましてルーツが戦国時代に遡り、大正から昭和にかけて業容を拡大してきた歴史をたどり、ホテルのホールの大画面で説明が行われていました。企業30年説から10年説に移行してきた今、またフォーチュン500社のうち130社がコア事業の転換を余儀なくされている現状において、このように90年の歴史をもつ、そして今も拡大し続けている地場の企業は貴重です。

 皆さんがご存知の小樽北一ガラスも100年以上の歴史があるそうで、100年以上の会社が複数紹介されていましたが、いやすごいですね。病院のなかにも、100年、150年続いてきた病院がありますが、ながく続けるということは並大抵ではないと考えます。

 先立って記念講演をした先生が、祝辞で、確か環境適合(柔軟性)と権限委譲、そして節約を会社がながく継続するポイントしてあげていましたが、まさにいま大きく医療介護業界が変わろうとしているなかで、常に柔軟であり常に質を高めていくことがいかに大切であるのかをいまさらながらに感じることができました。

 で、この写真のたまごは、見づらいですが、殻を剥けないゆで卵です。ゆでた後、水に入れて冷やすことは子供でも知っています。それをしていないとこんなことになってしまいます。しかし、こんな些細なことで朝食をとる宿泊客の気持を不機嫌にするホテルもすごいと思います。大切な朝を台無しにしてくれました。

 とてもきれいにリニューアルした誰もが知っている歴史のある全国にあるKホテルです。
 ながい歴史が質を担保できなくなることがあり、それを許すと過去のブランドは一気に消し飛ぶことになることを示しています。皮の剥けない卵事件は、いつも自分のこまやかな質を保つための反面教師になっています。

 質が高くなければ買ってもらえない時代に、私たちは今何をしなければならないのか、とても判り易い時代であると考えています。