よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

患者受け入れ体制

 いま米子から羽田に着きました。米子も朝は雨でしたから羽田空港が雨であることは想定していましたが、雨の空港はもの悲しいですね。

 今日のテーマは、ⅰ)地域連携とⅱ)患者受け入れ体制の整備、そしてⅲ)看護部の教育、ⅳ)地域支援協議会でした。とりわけ患者受け入れ体制の整備は午前中をつぶして院長をはじめとした幹部で議論しました。病院は縦割り社会ですが、組織を俯瞰する地位にいる者が、常に全体の業務改革を推進していかなければならないことや、そのための具体的な作業を指示していかなければならないことが確認されました。いくら地域連携で増患しても、受け入れ体性が整備されていなければ、かえって患者さんに迷惑をかけます。

 外来の看護師さんとミーティングをして、看護部としてこれ以上患者が増えて欲しくない理由をお聞きしました。
 ①非常勤の看護師の勤務時間が少しずつずれていることで午後は徐々に看護師の数が少なくなる
 ②書類や新たに実施しなければならない作業が増え、一人の患者さんに費やす時間が多くなってきた(インフォームドコンセントの介助とかはその例)
 ③高齢者は同じことをするとしても多くの時間を要する。動作が遅いことや、ストレッチャーを押すと きには2名必要になるため手がとられる
 ④PCを使うときに、立ち上がりが遅い、すべて入力しなければカーソルが次にいかないなど、どうしても紙よりも時間を必要とする…などなどです。

 どこの病院も同様であると思いますが、DPC時代には、理論的にいかない限り、どうしても外来からの入院に依存する。したがって外来患者が増加しなければ、自院の機能を最大限果たせない。キャッシュフローが生まれない。

 病院を維持できない…外来患者は減る、といった連鎖に巻き込まれます。仕事の仕組みの見直しや個人の技術技能の向上により、現場の仕事が円滑に進むことができるよう病院が支援していくことも必要だ、という結論になり、業務改革を進めていくことが確認されました。患者受け入れ体制の整備の問題は、医師の問題をも含め、さらにさまざまな議論を呼ぶことになります。