よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

療養型病院のこれから(5)

(1)から(4)のシリーズで療養型病院のこれからについて説明してきました。どうしても講演会の資料なので分かりづらかったかもしれません。

 結局のところ、療養型病院であったとしても質を向上させるためのあらゆる取り組みをしていくことが生き残りの大きなポイントになるということを説明したかったのです。勿論、介護型が廃止をしなければならない、ということはゆるがないと考えています。

 医療型についても医療区分2、3の患者さんを集めなければなりません。しかし、説明していますが、民間の介護事業者が高齢者専用賃貸住宅において、単価の高いこの層の患者さんの抱え込みを積極的に行っていくかぎり、療養型病院は従来のように待っているだけでは患者さんが集らない状況になるわけです。

 したがって質の高い、評判のよい、志をもって、思想的に経営をしている療養型病院に患者さんが集ることになります。

 質に勝るものはありません。これはパロマでも、不二家でも、それ以前に起こった多くの事件に起因する事例でよく理解されています。なぜ、病院だけが、介護施設だけが埒外に置かれるのでしょうか、それはありえません。これからは本当に患者さんの軸足にたった、家族の軸足に立ったオペレーションができる付加価値の高い医療機関や介護し施設、介護事業者のみが地域から選択されることになるのです。

 なお、付加価値をもつのは人であり仕組みであることは間違いありません。より詳細な部分でどう付加価値をつけていくのかについて別途説明しなければなりません。
 
 急性期病院で培ったノウハウを療養型病院に対しても積極的に展開する。それが私たちの使命であると考えています。

 また、財務的には、法的整理をも含めたドラスティックな対応をしなければ再生されないという病院も数多くあります。どこかで整理をするにしても、結局はその次のステップとして上記に記載されている事項に頓着しなければならないことになります。そうでなければ、それは(整理は)一次しのぎの事項として爾後に検証されることになります。


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