よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

なんとかしたい…医療の原点がここにある

 変革期を迎えた病院は、これからどのような方向に進む必要があるのでしょうか?
 
 個人負担が増加し、患者が減少するなかで、①できるだけ多くの患者に来院してもらい②手術後、③可能なかぎり早く退院してもらう。これが急性期病院の役割です。
 そのための体制がとれるよう病院運営を行うことが求められています。

 ①医療の質を向上させ②(結果として)生産性を高め③経済合理性を担保する④適正利益をあげて医療を提供する体制を維持し発展し続ける必要があるというのが我々の考えです。

(1)医療の原点回帰の時代が到来した
(2)本格的な病院経営が求められている
(3)医療と財務のバランスをどのようにとるかが問われる
(4)診療報酬請求方式に拘泥するのではなく、やるべきことをやる
(5)あるべき組織運営の徹底
というながれがあると思う。

 そして、結局のところ医療は人である。
(1)医療は人間の慈悲心に大きく依存する
(2)「なんとかしたい」という医療従事者の気持を思い起こす、増幅する
(3)その気持を最大限発揮できる仕組みづくり
が行われる必要があります。

 なんとかしたい、というのは当社のクライアントの元大学教授の先生がおっしゃった言葉です。
患者さんをなんとかしたい
疾患をなんとかしたい
仕事をなんとか変えたい
自分をなんとか成長させたい

 そうした気持がない者は医療はできない。Y先生は、あまり健康ではないにもかかわらず、自分の体に鞭打ち懸命に多くの手術をこなしています。だから言葉には重みがあり、説得力がある。上記の話をされたとき、先生は語気を強めました。

 私たちは思います。多くの病院で、そうした気持をもつ医療従事者を、間違ったマネジメントによって、これらをつぶしていないか?人のやる気を失わせていないのか?
 厳しい時代を迎えた今こそ、経営トップ及び幹部はできるかぎり、こうしたことのないマネジメントを行う必要があるのではないでしょうか。従来の行動様式や思考はもう役に立たないのです。原点にもどった医療経営へすべての業態の医療機関は立ち向かう必要があります。