よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療が変わる(5)

(4)「もっと良い方法はないか、もっとうまいやり方はないかの追求」

どうすれば、人は改革に向かうのか、という部分に切り込まないかぎり活動は進みません。以下ができているかどうかについての検証を行うことが必要です。

①改革の目的(医療への純粋な思い)

②スタッフの精神性の確保(良心への回帰)

③自らの受容(プロとしての主体性の喚起)

④具体的なツールの提示(徒手空拳からスタートするのは時間の無駄)

⑤教育システム(個人カルテを中心としたツールによる一人ひとりのスキルアップ

⑥強いリーダーシップ(トップマネジメントの決意や覚悟からくる意欲、意思、姿勢)

⑦公平公正な評価(金銭、非金銭)

これらが整備されていないときに、それでは自院は何をしていくのか、これを体系的にかつ迅速に解決しなければ病院は変われない。そして20年、22年の改正において、ながれにのれないことになります。
繰り返しになりますが、国は収益については枠を設定しますが、その枠のなかで示された収益を得る方法はわかりますが、それをどのようにマネジメントすればよいのかについての仕組みは示しません。

枠の範囲で合理的、かつ質の高い医療が提供できない医療機関は淘汰されることになりますね…、というスタンスです。

自ら積極的にかつ最も成果があがる方法を発見し対応していくことが病院マネジメントのあり方だ、ということを強く認識する必要があります。誰も助けてはくれません(続く)。

「ドクタートレジャーボックス掲載記事」