よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

医療が変わる(6)

2.医療の質向上を志向したリスクマネジメント

(1)基本的フロー
①インシデントアクシデントはマニュアルに反映
Ⅰ従来
ⅰ)集計だけが目的化
ⅱ)対策が脆弱
ⅲ)対策立案の手法やプロセスが確立できていない
ⅳ)対策が妥当であるかどうかについて議論できていない
ⅴ)対策が開示されない(それ以前に個別の事故が開示されないケースが多い)
ⅵ)対策が標準化されない
ⅶ)徹底されない
ⅷ)徹底する手法がない

Ⅱ今後
ⅰ)二度と発生させないことが目的
ⅱ)対策を仕組み化する
ⅲ)マニュアルに反映させる
ⅳ)開示する
ⅴ)できているかどうかの自己チェック
ⅵ)巡視によるチェック
ⅶ)できていない理由を明確化
ⅷ)教育システムにて日常化
ⅸ)この疾患(この属性、この××)では(この事故、したがって)この対策といった標準化を行う
 
②巡視活動の徹底
対策については、2つの方法により徹底されていることを確認
ⅰ)静態的巡視
ⅱ)動態的巡視

③マニュアルや職務基準からの個人カルテの作成
ⅰ)個人別にどのような仕事(職務)ができていないのかを徹底分析
ⅱ)個人カルテにて管理
ⅲ)日常的な教育へリンク

④徹底的な教育機会の創出
あらゆる機会を利用して教育をするが、リスクマネジメントは原因分析、対策立案、周知徹底のなかで全体を教育のなかに織り込んでいきます。

⑤業務改革への誘導

(2)本来の接遇をベース
リスクマネジメントは事故を抑止、又は予防しようというとても積極的な仕事の一つ。
しかし、どうしても背中を丸めて内向きにならざるを得ない背景をもっています。本来は積極的に医療スキルを高めるなかで医療事故を抑止することが必要。

合理的で質の高い医療は、地道なあるべき医療追求の旅であると考えることが適当です。

「ドクタートレジャーボックス記載記事」