よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

教育システムについて(2)

このような教育を受け入れている組織は、欲しい人材を偶然確保するといった危険な状態のなかでマネジメントをしていくことになります。一方職員にとっても教育を組織的に行っていない組織は魅力がありません。

なぜならば、医療従事者はすべてプロフェッショナルとしての自覚をもち、常に学習をすることによって自らの技術技能を高めていくという職業に身を置いているからです。逆にそうした人材でないのであれば、病院として彼らを雇用する誘因もありません。プロとしての医療従事者は組織において学ぶことがない、学ぶ体制がない、といった状態を機敏に肌で感じ取り退職していきます。

教育の仕組みがある組織においては、医療従事者は、常に継続的な知識を身につけ、それを経験のなかで知恵に換え、技術技能に転換し、すぐれた医療従事者になることを約束されています。活気があり、知識と知識、知恵と知恵、エビデンスに裏付けられた経験と経験をぶつけ合いながら、常に進歩していこうという文化が形成されます。

教育は成り行きで行うのではなく、意図して行うことが必要です。そのことによって病院はあるべき方向に進むために有用な優秀な人材を数多く確保することができますし、医療従事者は誇りをもって日々の業務に携われるバックグランドをもつことができるからです(続く)。

「ドクタートレジャーボックス記載記事」