よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院経営

目標管理について(1)

ある病院で個人レベルまで目標管理を落とした病院での説明を一部ご紹介します。 1.はじめに 個人目標がそろそろ出そろってきました。個人目標の設定において気がついたことや、これから個人目標レベルで目標管理制度を運用していくために、欠くことのでき…

病院審査基準説明(4)

(5)手術件数が低減する傾向にある 病床利用率が高くても、手術件数が低減することは危険です。結局は内科的な単価が低い患者が増加し、収益悪化をもたらすからです。 急性期病院の利益の源泉は手術です。手術が行なわれない病院、低減する病院は危険領域…

病院審査基準説明(3)

5.判断 (1)新患が低減する傾向にある 診療報酬が引き下げられているため、どの病院も増患をする必要があります。 増患の基本は新患が来院することです。新患数がどのように変化しているのかについて傾向をみることによって、その病院が総合的な努力を行…

病院審査基準説明(1)

銀行審査部の勉強会で説明した資料をこれから提示します。銀行が病院をどのようにみていくのかといったことについての、新しい考え方を説明しています。病院は、このようにこれからは銀行からみられるんだということを理解して、銀行との取引を行っていく必…

空手と人生

滋賀県の病院で改革の先頭に立っているMEの上野さんと、りそな総研の担当者と私での3名で仕事が終わった後、食事をしました。 上野さんは、空手家でもあり、高校生のとき県大会で優勝したのを皮切りに、全国大会にても相当な腕前を披露して優勝を含め上位…

病院経営の基本について

病院経営の基本は、次のものです。ステップごとに示します。 (1)損益分岐点分析を行い、次に借入金返済のための税引き後キャッシュを載せた医業収益を計算 (2)その医療収益を確保するための単価一定とした患者数を決定する (3)外来患者+入院患者の…

医療のこれから

ながい通路を歩き続けていれば、必ず目的を達成できるという環境に医療はありません。これから残る病院と残らない病院が峻別されてくることは明らかです。 病院は適正利益を悪者とせず、病院が存続できなければ医療が提供できないという思いを徹底していかな…

セミナー準備?

頬を寄せあい暗闇みで、怪しい動きをしているのは、N病院のK先生と、ホワイトボックスK君です。 なんと、この日は病院に資料を渡しに来て、私に補導され、K先生と食事が終わりキャラオケボックス に来てしまったK君でありました。 K先生は、高校時代は…

北野天満宮と病院

昼休みに北野天満宮に行きました。夏の日差しが私を焦がすような午後のひとときでした。境内には平日であることも手伝い、あまり参拝客は多くはなく、蝉の鳴き声だけがこだましています。歴史と伝統の神社は、ブランドの重みと、荘厳なたたずまいに身を置い…

えびす屋のTさん

京都の病院DD(デューデリ)仕事が早く終了したため、少し、街を歩いてみることにしました。 銀閣寺方面は、すでに17時を過ぎているため、お茶屋の道を逆歩する観光客が多く、たくさんの人と対抗して道を歩いていくことになります。道の入り口のところに…

R総研のIさんとのミーティング

R総研のIさんと、クライアントの病院でミーティングしました。 彼は、実はコンサルティング営業の猛者であるとともに、れっきとしたセミプロカメラマンです。 R総研のお仕事が週末終了すると、いちもくさんに家に帰り翌日の出発準備をしていたそーです(…

T弁護士は1200円の回収に尽力

いやびっくりしました。 久しぶりにお会いして、会食をしたT弁護士は、1200円の診療報酬の未収金の回収を行ったという話をされたからです。 弁護士業務の一環として回収のお仕事があるのですが、未収金の回収をしているときに、こうした超少額の報酬ま…

じゃじゃ~ん高専賃運営なんでも相談室オープンだよ

みなさん。今回「高専賃運営なんでも相談室サイトがオープンしました。www.kousenchin.com/です。 高専賃は、医療からのアプローチを行う、いわゆるメディカル高専賃を取り扱います。 高専賃運営で有名なココチケアモデルを全国に広げるためのサイトです。す…

医療相談及び地域連携の現状(4)

3.まとめ この病院はどのような病院を目指すのかを概念ではなく、具体的に決定していくために現状調査をしなければなりません。 現状の紹介・逆紹介患者の実態を調査することで、自院ではどのような患者をみていて、どのような患者をみていないのかが分か…

医療相談及び地域連携の現状(1)

医療相談や地域連携は病院戦略の帰結です。 すなわち、どのような患者さんをみるのか、どのような患者さんをみないのかといった政策を、かたちにしたうえで、患者さんを紹介してもらう、また紹介するといったことを考えることになるからです。 その意味で、…

個人カルテによる教育について(3)

4.バックグラウンドへの対応 (1)考え方 人は「あなたが必要である」というサインによってバックグランドをつくりあげていくと考えます。常にあなたが必要であるというサインをどのように提示していくのかといったことを模索するなかで、過去枠組みがつ…

個人カルテによる教育について(2)

何れにしても、 ①具体的な技術技能 ②それらを発揮するための意識や意欲、姿勢や態度 を個人教育の対象とするための方法を確立する必要があり、とりわけ後者についても なんらかの対応をしなければなりません。 (3)教育方法 個人カルテは、あくまでも職務…

個人カルテによる教育について(1)

1.はじめに 個人カルテを利用して職場内教育を行うことにより、スタッフ一人ひとりの課題を明確にした的確な教育を行うことが可能です。それらの方法について確認し、全スタッフが自らのスキルを高める活動に入ることが必要です。 2.内容 (1)職務基準…

リスクマネジメントレポートについて(1)

最近DPC病院に入ることが多くなりました。そこでは、リスクマネジメントが徹底される必要があります。 在院日数が延びても、オペが必要になっても場合によれば、IからⅡ、ⅡからⅢに移行することで、日当点が下がる可能性があるからです。 昔作成した、レポ…

ミスサイゴンの人生

ミスサイゴンという舞台を帝劇で見ました。ベトナム戦争のとき、米兵クリスと、クラブで働く17歳のベトナムの女性キムのラブロマンスです。 白血病で亡くなった本田美奈子さんが主役だった舞台です。ソニンや知念、新妻などがあとを引き継いでいます。その…

時間外管理(2)

4.原因分析時間外が発生する原因には次のものがあると想定されます。①高齢者の入退院患者が増加した②新人の比率が多い③個人の技術技能が仕事に追いついていない④委員会など会議が多い⑤業務が煩雑⑥仕事の仕方に無駄が多い⑦書類を作成するのに時間がかかる⑧…

時間外管理(1)

時間外のデータ収集と原因分析を行う必要があります。以下説明します。1.データ収集①どの部署で何時間時間外が発生したのかを月次でデータをとる ②同時に同じ部署で、入職年別人員数の推移、患者数、その他繁忙になる原因となりそうな要因を部署の 特性に合…

業務改革と増患(4)

4.増患対策 増患は病院の全体的評価により実施されることになりますが、具体的には各診療科ベースでの外来、入院での増患がマネジメントされます。個々の場面で患者さんに評価されるための活動が行われる必要があります。医療の質の結果として評価が定着し…

業務改革と増患(3)

3.業務改革のための委員会活動 上記を達成するために委員会活動があります。 マニュアルを作成するときに、不効率を発見、生産性阻害要因を排除します。また運用により個人の技術技能を向上させる、また、運用上で問題があるところをピックアップして改善…

業務改革と増患(2)

(1)効率をあげる ①優先順位をつけた活動 ②短い時間で早く完了する ③質の高い仕事を短時間で実施する (2)無駄をなくす ①ロスを排除 ②事故を撲滅 ③不必要なことはしない (3)ムラをなくす ①一日の仕事の繁閑差をなくす ②月単位季節単位の仕事の繁閑差…

業務改革と増患(1)

1.はじめに 時代が大きく変化しているなかで、貴院の改革が手詰まりになっています。それは定量的なしかけが行われていない部分と、テーマが絞りきれていないことに原因があると考えます。 戦略が明確であり、フォーカスするポイントが明らかであれば、従…

看護師の定着率向上は職場内問題解決

日看協は、「安心で安全な医療の確保のためには、医師の確保、医師の職場環境の改善の観点からでは不十分であり、看護職の質の向上と確保定着、訪問看護の充実・推進などが不可欠である」「安心と希望の医療確保ビジョン」について、日本看護協会と厚生労働…

評価者訓練注意事項(1)

ある病院で提出された評価者訓練の資料です。 1.はじめに 評価者運用能力の均一化を図るには、評価者訓練が必要です。そのためには何を学習し、何をつくりあげていく必要があるのかについての検討をする必要があります。以下、それらについて述べます。 2…

課業分析について

ある病院で課業分析の指導をしています。そのなかから一部をお見せしましょう。 「課業分析は、課業=仕事のくくりをリスト化すること、それらの仕事を手順や留意点に区分することをいいます。課業分析により、ある者が、どのような仕事をどのように進めてい…

生活習慣病センターの設置(2)

3.地域連携紹介からの管理 地域連携により診療所や施設、在宅患者で対象疾患をもつ患者の紹介を受け、生活習慣病センターへの受診を促す。診療所や病院、施設と日常的に生活習慣病センターとのコラボレーションを行うことについて同意をとる。 診療所や病…