よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

よい病院

永野先生の現場トーク(1)

ホワイトボックス社の顧問である、永野先生(練馬桜台クリニック)にお話していただいたことを連載していきます。現場の医師の声を聞いてください。 「現状では町中や近隣の中小病院が行き詰まっています。 療養型のベッド数を減らしているので急性期から退…

医療法人刀人会 坂戸中央病院 戦略ミーティング

金曜日は、坂戸中央病院で戦略ミーティングを行いました。朝8時30分から、清水理事長(右)、土屋院長(左)、岸部事務長に集まっていただき、11時30分まで3時間ほぼ休憩なしで、これからの戦略立案のためのアイテムについての検討を行いました。 地…

病院マネジメントについて

病院のマネジメントは、特殊であるといえば特殊ですが、特殊でないといえば特殊ではない領域に存在しています。 ①現場のマネジメント ②部署別マネジメント ③業態固有マネジメント ④組織マネジメント に区分されます。 ①は患者さんが来院すると、延髄で反応し…

銀行も医療の勉強会

動態的に病院をみる指標を数多く提示していますが、それらのなかには病院も入手していないもの、掌握していないものも数多く含まれています。 ①単純であるもの ②病院もデータをもっているもの ③病院側がそのデータを提示することに躊躇しなくて済むもの ④比…

窓からみえる景色は平和に満ちて

医師面談の合間に、ふと振り返ると、窓の外には地方都市の郊外の風景が広がっていました。私たちは毎日移動し、地方を転戦することが多く、その土地土地の気候や風景、そしてその地域独特の文化や風土に触れる機会をもっています。 しかし、往々にして空港か…

目標管理制度の実際

ある病院で目標管理の勉強会で示した資料です。 「病院が立案した事業計画(経営方針)をどのように各部署に漏れなく割り振る必要があるのか、その部署目標の内容が病院の立案した事業計画を達成するに十分であるのかどうかについて議論することが必要である…

オリックス・レンティック、ソリューション事業部 李さん

土曜日は、弊社会議室で、6名での医療勉強会が開催されました。弊社では、医療機器メーカー方向(かたむ)けの勉強会をよく行いますが、その一環です。 今回も、私と美川さんが弊社側として、そして他の4名の方々が来社し、10時から13時すぎまで、お弁…

医療型高専賃の優位性

6月3日に高齢者住宅新聞社の主催によるセミナーで、医療型高専賃の優位性という講演会をすることになりました。 今年で3年目です。毎年150人の人が私のセミナーに来ていただき、大変ありがたく思っています。 私が3年前にココチケアの事例をもって、…

増患戦略紹介

増患のために行うべきことは以下の通りです。ある病院のWGでの実施事項です。 増患は病院総合戦略であることが解ります。 1.SOWT分析による自院の診療上の強みの列挙 2.自院紹介のための媒体作成 3.診療所のリスト作成及び現状分析 4.病院の科別リ…

ブリーフィングシステム(1)

医師ブリーフィングシステム(短期報告システム)導入がさかんに行われています。 このような時代には、医師を中心においたマネジメントが徹底される必要があります。 『幹部面談とりわけ医師面談を通じて多くのことが把握できました。医師がやりたいことや…

病院改革について(3)

今日は、病院改革についての3回目です。 病院は、増患につきます。増患のためには、現状の医療制度を俯瞰し、また診療報酬改定がなぜこのように行われたのかについて思いを馳せ、そして中長期にわたる戦略立案を行わなければなりません。 (3)増患のため…

病院改革について(2)

(2)組織生産性の向上 次に行われるべき事項は以下のものである。 ①人員配置見直し 各部署がそれぞれの機能を最大限発揮できる体制になっているのかどうか検討します。具体的には経験年数や個人のスキルの調査を行った後、業務量分析を行い、部署別人員配…

病院改革について(1)

ある病院でのレクチャーの一部をご紹介します。 1.組織方向づけ 新しい病院の考え方を提示し、ヴィジョン化するとともに、詳細な部分で診療科別戦略を決定する必要がある。 自院の分析やマーケティング、過去データ分析、そして医師との面談を通じて、どのよ…

浜脇整形外科病院 浜脇純一理事長

先日、広島のホテルで浜浜脇純一先生に食事をごちそうになりました。脇澄伊理事とお嬢様も同席されるなか、医療についてのお話をお伺いしながら、おいしい中華料理をいただき、楽しい時間を過ごさせていただきました。 医療法人おると会浜脇整形外科病院は、…

医療機器とマネージメント(4)

医師の希望に対しても患者数が一定数に到達しなければ回収が困難であるところ、必要な患者数を確保できればGO、できなければWAITといった提案ができなければなりません。 なお、特殊原価調査においては、購入か、レンタルか、リースかといったことにつ…

医療機器とマネージメント(3)

4.医療機器管理の職務 医療機器管理は、医療の要請に応えるものでなければならない。適切な使用と機能を最大限果たせるよう、常に環境を整備する必要がある。 ①機器の機能への対応だけではなく、 ②利用する者がそれらを有効に使えるよう、 ③さらには、ME…

技術技能評価と教育のための職務基準

考課者訓練をH病院が行いました。当初は当社がアレンジして考課者訓練を行いましたが、いまではこの病院のスタッフが自らの企画のなかで実施しています。 今回は、総務がアレンジして司会となり、事務長や私、経企課長が、能力考課の必要な理由、そのための…

ほんとうに良い病院の見分け方(1)

このブログをみた方が、あるべき病院はどのような病院であるのか、というテーマに対する情報を得ることで、読者がよい病院を見分けることができるようになる。 地域住民や患者さんから見れば、その情報により実質的に病院を選別することができるようになるこ…

高専賃、中国地方への旅(3)

松江市の端に会場となる「くにびきメッセ」がありました。そこで中国電力が主催するフェアがあり、私はそこの午後の会場で、講演会を行う予定があったのです。 昨日の夜、どしゃぶりの出雲の会場で、質が高くなければ生きていけない、医療も介護も、そしてそ…

大阪の街は、香港と似ている

16時30分の電車に乗り、病院に向かうことになっていました。 講演会を行うためにです。 その前にヨドバシで買い物をし、急いでガード下にある吉野家で腹ごしらえをし(まだ夕方で昼食もたべていたにも関わらず…)、急いで横断歩道を渡りホームに滑り込み…

コストをどう削減するのか(5)

8.コスト削減のプロセス 事務部門が単独で固定費のコスト削減 ↓ 全職員へのコスト削減に対する取り組み説明 BSC・目標管理化 ↓ 業務改革及び業務改善システムの導入による変動費率低減 ↓ マニュアル・パス・リスク・教育(四位一体)の強化 ↓ 部門別損益計…

コストをどう削減するのか(4)

5.財務的な問題 支払いを現金で行うことで、値引きをしてもらうことや、また早期に支払うことで仕入割引きをしてもらうこともできる。 前者は損益計算上医業費用のマイナスで発現するし、後者は財務収入として雑収入で計上されることになる。 6.コスト削…

コストをどう削減するのか(3)

(3)コスト絶対額削減のための手法 コスト絶対額削減のためには、さらに職員全員の意識改革が必要である。 例えば、営繕や購買のコストを自部署がどれだけ使ったのか使っていないのか判らなかったときと判ったときには、どのような行動が生まれるか。 前者…

コストをどう削減するのか(2)

在庫管理を行い、ロスをなくすことも必要である。 SPDを導入すればコストが下がると思ったら大間違いである。 たとえば、多めにシリンジをポケットに入れたり、余計に在庫をもとうと思う看護師さんが実際にいる。また、業者にもシステム利用料や人件費の支払…

コストをどう削減するのか(1)

いつの時代も、このテーマから組織が逃れられることはありません。間違いなく、永遠のテーマであると考えます。私たちが依頼されるコンサルティングテーマのなかには、必ずこのテーマが含まれています。 今日は、ある病院でのWGで説明した資料の一部を提供…

職務基準というもの

1.はじめに 職務基準には、複数の機能があります。一つは技術評価を行うことで人事考課のなかの能力考課として利用すること。そしてもうひとつは職場内教育の道具とすることです。これらについて病院全体に理解させなければ、職務基準の有効な活用を行うこ…

ココチケアの幹部会議

ココチケアという会社をご存知ですか?明正会という法人の理事長である近藤正明先生が設立した会社です。医療型高専賃やグループホームを複数展開し、訪問看護ステーションやヘルパーステーションを運営しています。 ベッドが削減されていくなか、在宅におけ…

病院経営の基本について(2)

思想的には医療従事者には人を助けたいという思いがあるか、少なくとも自分の仕事は人を助けるためにとても有益な仕事である、といった誇りをもって仕事をしていることが多いと思います。本来であれば、医事で受付をしている者であっても、病院機能の一翼を…

列車で高知

ふと思い立ち列車で講演会に向かうこととにしました。高知で講演会があったときのことです。 最近は普段から新幹線で移動する回数が極端に増えました。 月曜日広島を皮切りに、火曜日札幌で営業同行および恵庭で事務長勉強会での講演、水曜日朝東京で他者の…

西川口病院の柿沼先生

西川口病院は、ホワイトボックス㈱のクライアントです。また、石井公認会計士事務所の顧問先でもあります。昨年お父様から病院を引き継いだ院長と病院オペレーションシステムをつくろうとしています。 いつもは、「先生、私たちにお任せください。地域医療を…