よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

#専門職

忠恕(ちゅうじょ)

全国から多くの方々が駆けつけた、濱脇整形外科病院の40周年記念祝賀会です。挨拶をされた医療会で活躍する新理事長澄伊さんのお父上、濱脇純一先生の40年間の歴史や思いをお伺いし、長い間高い質の医療を継続するご苦労は、並大抵のものではなかったのでは…

職員が、やる気になる未来の階段

医療従事者は、日々慌ただしく働いています。 毎日、単純に繁忙であることは疲弊を生み、組織への執着をなくしてしまいます。医療に対する使命感だけに依存するのではなく、夢をもって働いてもらうことで、彼らが本来持っている力を発揮してもらうことができ…

最近思うこと

いろいろな病院に訪問して思うことがあります。人のマネジメントができていないことです。確かに医師が院長であり、院長は臨床を行っていることが多く、なかなかマネジメントに手が廻りません。 また事務長はさまざまな事柄への対処をしなければならないので…

増患対策のポイント

病院は、自院で診る実入院患者数を増やし続けなければなりません。医療資源を最大活用し、地域に最適な医療を提供することで、地域住民の効用をより高くできるからです。 病院は無駄な医療を戒め、求められる医療を提供できる体制を整備し自院のもつ機能を発…

マニュアルに戻ろう

最近、忘れがちになっていることで、どうしてもお伝えしなければならないことがあります。 マニュアルについてです。マニュアルを組織運営の柱に据えることが必要です。マニュアルというと、硬直的なイメージ、例えば「マニュアル通りにしか仕事ができない社…

中小企業にはアセアン進出が必要

景気がなかなか上向きません。少子高齢化が益々顕著になるなか、日本経済が大きく転換期を迎えています。 私たち中小企業はこれからどのように生き残っていけばよいのでしょうか。 中小企業というくくりですべての業種を語ることはあまりにも無謀です。 しか…

何度も増患、利用者増という

27年の介護保険改定、28年の診療報酬改定、29年の消費税改定、30年の医療介護同時改定と、イベントがもりだくさんの現状において、いま、日本の医療や介護はとんでもない環境に置かれています。社会保障費の削減が叫ばれるなか、これから右肩あがり…

ヘルスケアアジア株式会社によるホーチミンでの活動

ベトナムの政府関係者や医師、病院経営企画担当者を交えての調印式が終わりました。壮大な計画が議論され、大きなビジネスになります。政府の許可を待って(新しいレギュレーションが7月1日が施行され、投資が厳しくなりました。これからが大変です)、診療所…

日本の現状と私たちの行動

日本の財政が逼迫していることは、既に多くの国民が理解しています。しかし、具体的にどのような未来があるのかについて明確な絵柄を描ける人は少ないと思います。 医療の生末や介護のこれからについても、出生率が低いまま、高齢者が増加すること、就業人口…

病院はいま何をすればよいのか

以下は、ある法人の経営方針を病院に降ろし、病院がそれを具体的な目標に設定する過程で、病院で説明した資料の一部です。今、医療に求められているのは、医療人一人ひとりの覚醒と行動です。思いをもち、医療に自分の使命を見出し、成果をあげるために日々…

時間を生み出すための活動

いろいろな病院で看護部とのミーティングを行う機会が多くあります。 生産性向上といった観点からの視点でいえば、リスクマネジメントや感染症対策、マニュアル、クリティカルパス、教育、看護過程といったことがテーマになります。 生産性を向上させるため…

リスクマネジメントを初めとした仕組みの本質は教育

さまざまな病院に行き、改革プロジェクトを動かしていると、ときどき不思議に思うことがあります。例えばリスクマネジメントもそのなかの一つです。 リスクマネジメントは、医療安全レポートやインシデントレポートを提出することが基本的な仕事になり、そこ…

新しい日本をつくるために

今は選挙、真っ盛りです。既に結論が見えているとは思いますが、消去法でほぼ現状の政策に依存しなければならない状況であると、私は思っています。 しかし、だからといって劇的な景気回復が起こるということはあり得ません。聡明な国民は理解していますが、…

医療構造の転換がもうすぐそこに

間違いなく、日本の医療は構造を変えることになります。病院病床削減は、地域包括ケアシステムにより、その実現性を増し急速に進みます。 在宅医は、益々力をつけて機能強化が進み、驚くほど大規模化が進みます。既に地域によっては2000人規模の在宅患者をケ…

医療療養病床のオープン

4月にある病院の資本を移動し、私のクライアントの病院の理事長がオーナーになりました。その病院にはオーナー病院のスタッフが数名張り付き、閉鎖病棟のオープンを準備してきました。 ついに6月18日に病棟をあげることができました。それまでには、多く…

認定看護管理者サードレベル

医療環境は大きく変化する。機能分化と平均在院日数短縮により、病院病床を削減するという考え方だけではなく、医療費そのものを負担できなくなってきた政府が、医療費自己負担増に手をつける段階になってきた。いわゆる後期高齢者については所得に関わらず…

日本の医療を護るために

私のクライアントの整形病院が7:1から10:1に看護基準を変更しました。重症度が維持できなかったからです。在宅復帰率は維持しつつも、重症度が維持できないという病院が数多くあり、7:1削減目標の9万床を大きく上回って7:1病床が減少するとい…

これからの自分

ながい間、このブログを書いていませんでした。あまりにも退院してからの日々が慌ただしく、なかなかこのページに向き合うことができない状況がありました。 胆嚢摘出が2月後半でしたから、もうすでに3ヶ月以上経過しています。この間、フルに休みがとれた…

病院活性化のポイント

病院の優劣がついてきた。常に強いリーダーシップを発揮するリーダがおり、すぐれた経営幹部がいる病院は、間違いなく成果をあげている。しかし、その逆は淘汰される。 よい病院は、当たり前ではあるが、スキルの高いスタッフに恵まれた医師がしっかりとした…

精神科医療における退院支援

以下はある病院の会議用の資料です。現在、入院年次別の患者リストをみると、例えば180日を以内の患者は、ほとんど存在せず、明らかに超長期の患者が多く入院していることがわかります。 20歳代で入院し60歳を超える方々をはじめとして多くの患者さん…

病院の進む方向について

診療報酬改定のあと、多くの病院が進む方向について悩みをもっています。 急性期は急性期として、またケアミックスはケアミックスとして、そして慢性期は慢性期として。どこに進むのかについて悩んでいます。 重要なことは診療報酬そのものだけにとらわれず…

病院のリートについて

最近、病院の不動産投資信託(リート)が脚光を浴びています。特別目的会社をつくり、投資や借入れ、社債を以て調達を行い信託をかませつつ病院の土地建物を運用することになります。 病院は、対価として資金を得て、次の投資に振り向けたり、また借入の返済を…

医療療養病床について

日慢協で武久先生が以前、医療療養病床は長期急性期と長期慢性期と区分し、前者はDPC類似病態別医療区分を導入し、今の医療区分を見直すという意見を出されていました。それは2018年には実行するということで私は了解していました。日慢協はそれと合…

診療報酬改定に思うこと

診療報酬改定は、政府の政策をそのまま反映します。 財政が逼迫し、原資を少ない税収と公債に依存して国を運営している日本は、公債をこれ以上増加させないためにも、増加し続けている社会保障費を一定に抑えるための施策が必要です。 社会保障費の多くは年…

診療報酬改定とその先にあるもの

診療報酬改定の内容がほぼ出そろってきました。各病院は、診療報酬がどのように変わるのかにより、大きく収益構造を変えることになります。 診療報酬の改定の結果をみながら、自院は急性期でいくのか、7:1を維持できるのか、地域包括ケア病棟や病床をどの…

介護事業を守るために

介護事業を守るために、保険だけに依存した介護事業をしてはなりません。自費にすればよいのではなく、一般企業が高齢化を日本の優位性として捉え、高齢者が健康で豊かに暮らせる社会をつくるために叡智を出し、新しい聖商品サービスやソフト、システムを開…

これからの医療、介護の進む道

医療環境が益々厳しくなってきました。7:1の看護必要度の厳格化をはじめ、大型病院とそれ以外の病院との峻別が進み、急性期のなかでも役割分担がより鮮明になりました。 このようななか、多くの病院は戦略の見直しを行う必要があります。 とりわけ急性期…

患者としての立場から

ある大学医学部のエマージェンシーの教授から、石井さんの不幸は、大学病院の中をみていないことだ、といわれたことがあります。そのときには、何を話されているのかを理解できませんでしたが、今回自分がそうした属性の他の病院の患者になってみてその理由…

診療所地域ネットワークづくり

診療所が地域に浸透するためには医療機関以外の地域ネットワークが必要です。地域ネットワークがあることで自院が地域で認知され、何かあれば院長に相談という体制ができあがります。 標榜科目にもよりますが、自治会、老人会、商店会、学校、幼稚園、PTA…

病院再生ということの意味

病院再生にはさまざまな意味があります。財務的な問題もありますし、いま、財務的な問題はないけれども、マネジメント自体に問題があり、早晩キャッシュが不足するといった病院、現状はなんとか運営しているが戦略が不鮮明でいずれ。環境変化によって大きな…