よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

教育について(1)

少しだけ、当社の教育システムのなかから資料をピックアップして、ご紹介します。 組織における人の動き方は、知識や技術技能だけではなく、意欲や姿勢、態度によって決定されるものではあります。したがって意欲の醸成、姿勢や態度の矯正あるいは、意識改革…

高齢者マンションとヘルパーさん教育

本日、金融会社と建設会社の方々と高齢者マンションをつくる事業についてミーティングしました。 これから病院が大変になるなかで、どうしても方向転換して診療所にしたいという先生がいらっしゃいます。病院をたたんで診療所を設立。医師や職員の退職金、リ…

沖縄セミナー

昨日は沖縄で医療コンサルタント向け及び診療所向けに病院経営ノウハウというお題でセミナーをしました。沖縄は17歳のときに旅行で行っていますが、もう超久しぶりでした。すでにさまざまな開発が行われ、モノレールもでき、開けている、というのでしょう…

DPCをどう考えるのか(2)

医事だけではありません。DPCについていえば、疾病別の原価を把握できなければ、しらない間にロスが生れます。治療すればするだけ、入院させればさせただけ病院経営にロスが発生することになります。 行為別原価計算及び患者別疾病別原価計算を実施できる…

DPCをどう考えるのか(1)

DPC時代を迎えました。 40万床しか急性期病院が残れない、といわれているなかで、まさにDPCは勝ち残るための急性期病院の登竜門であると考えます。DPCをきちっと適用するためには、従来の病院の運営に大きく影響を与えることになります。 医事が…

医療が変わる(6)

2.医療の質向上を志向したリスクマネジメント (1)基本的フロー ①インシデントアクシデントはマニュアルに反映 Ⅰ従来 ⅰ)集計だけが目的化 ⅱ)対策が脆弱 ⅲ)対策立案の手法やプロセスが確立できていない ⅳ)対策が妥当であるかどうかについて議論できて…

医療が変わる(5)

(4)「もっと良い方法はないか、もっとうまいやり方はないかの追求」 どうすれば、人は改革に向かうのか、という部分に切り込まないかぎり活動は進みません。以下ができているかどうかについての検証を行うことが必要です。 ①改革の目的(医療への純粋な思…

本当の地域連携(1)

地域連携が本質で議論されるようになってきました。 基本的に紹介加算がなくなり、一定の条件のもとでの基本料へのすり替えに変化したからです。 医療の質を高め、看護の質を高めるために、看護基準についても1:1に向けた、1.4:1がでてきたこともよ…

医療が変わる(4)

(2)業務見直し 一般の企業においては、業務の無駄をどのように取り去るのかについてVAやVEといった考え方が導入されています。 しかし、病院ではこうした考え方が導入されない。業務の見直しを単発で業務改善委員会等で実行することもよいが、網羅的…

医療が変わる(3)

1、環境変化に順応する病院運営 仕事の仕組みとスタッフの質によって、医療の質の向上と効率向上が決定します。 医療の質の向上は、仕事の仕組みの見直しと個人の技術技能の向上以外には達成できません。また、医療の質が向上すれば、結果として効率は向上…

医療が変わる(2)

病院が置かれている環境は、過去に創造がつかないほど変化していきています。 今日お話した市立病院の事務長は、次のように話されていました。 「私がはじめて病院にきたときには、診療報酬は右肩あがりであったし、ある意味医者もまだまだ採れる時代であっ…

看護部課題(1)

北海道E病院で看護部の幹部に対しヒヤリングを行いました。以下結果について、その一部を提供します。 (1)目標管理制度の精度 目標管理制度については、きちっと実施している部署とそうではない部署に分けられます。部門目標を具体化する段階で、方法が…

こうした話はきっと多くなると思う

昨日Aさんから相談がありました。 Aさんはある病院の事務長ですが、その病院を売却したいということでした。 院長は、病院を売却して隠居したいということでしたが、まだまだ仕事のできる年齢である院長がなぜ引退したいのか、それを聞きました。院長と兄…

職務基準について

今日は東京T病院で職務基準のミーティングがありました。 病棟、外来、診療所のトップ看護師が集まり、そこで職務基準の宿題を提出。 すでにマニュアルを1100以上作成している病院ですが、まだまだマニュアル委員会においてマニュアルの刷り合わせをし…

医療が変わる(1)

DPCを採用している病院が20万床、残り20万床の枠に入る急性期病院が残る。 DPCを採用しない一般病床は、回復期か亜急性期病院に転換というながれがみえてきました。医療療養型病院では、ADLによって点数の変化をもたせることで、医療依存度が高…

経済環境に合わせた組織運営について

一般の企業で最近利用された経営方針発表会におけるトップの話を紹介します。 これは一般の企業だけではなく、病院においても同様のことが言える内容です。 勿論、病院マネジメントはより複雑ではありますが、職員全員が目的をもって行動しなければ今の環境…

成果主義に基づく評価を行う理由(2)

3.留意点 成果主義に基づく評価制度にいおいて、成果=目標です。 ①難易度と達成度についての評価が困難 ②厳密なかたちでの導入は合理的なエビデンスが要求される といった問題を内包しています。 また、目標=計画であり、 ①部門レベルで実行するのか ②個…

成果主義にもとづく評価を行う理由(1)

ある病院で目標管理制度の導入が行われましたが、その一部の資料を開示します。 1.はじめに 病院を取り巻くあらゆる環境が悪化しています。環境変化に対し、急性期病院として拡大していくた めには、医療の質の向上と効率化に常に挑戦し続けていくことが必…

患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言(2)

8.守秘に関する権利 a.患者の健康状態、病状、診断、予後および治療に関する身元を確認し得るあらゆる情報、ならびにその他のすべての個人情報の秘密は、患者の死後も守られなければならない。ただし例外的に、患者の子孫が自らの健康上の危険に関わる情報を…

患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言(1)

個人情報保護法に関し、プライバシー保護が問題になりました。単なる一般的な個人情報の保護という領域から、一歩進んで患者さんの側に立った対応が病院にできるのかどうかといった疑問があります。 個人情報保護法についての一時のブームも沈静化してしまい…

リスクマネジメントの問題点(5)

「7.対策が標準化されていないため、同じ事故が何回も起こる」 対策は、標準化すべきです。勿論、ショートカットの対策、すなわち、注意する。集中力をもつ。マニュアルを閲覧する。といったものは標準化する意味がありません。注意すること、集中力をもつ…

リスクマネジメントの問題点(4)

「4.周知される方法が確立されていない」 対策を立案して、通達を出す、あるいはマニュアル化する、といったことが行われればよいほです。一般的には、これらが行われないという印象です。マニュアルへどの程度反映しているのの調査を13の病院で評価した…

静寂と躍動

今回のツアーは函館⇒瞬間札幌⇒釧路⇒根室⇒釧路⇒帯広⇒そしてさっき札幌という感じです。 毎日病院にお伺いして、さまざまな方とお話していて、気がつくことがあります。本当に心底なんとかしたいという気持をもたれている方と、いや大変ですよ(俺は関係ないか…

リスクマネジメントの問題点(3)

「3.対策が現場に周知されていない」という問題です。 実際には、リスクレポートをコピーしたものを職場にファイルをしたり、対策が立案されたのちそれをフィードバックするといったことが行われますが、それから先は職場での対応になってしまいます。 本…

リスクマネジメントの問題点(2)

リスクマネジメントの問題点の検証をしていきます。 まずは、リスク処理フローです。 ①インシデント、アクシデントレポートのフォームが整備されていない ②事故が起こってから処理されるまでのルートが確立されていない といった内容です。 フォームが整備さ…