よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

病院経営

プロフェッショナルな目標管理

今日は福島の病院だったんだよ。今日のレクチャー資料を特別みせちゃうからね。 1.はじめに 人が課題をもって行動するよう支援する制度が目標管理制度です。プロフェッショナルな世界では、他律的、受動的に動くことしかできないことはプロとして生きてい…

人材派遣営業本部構築からのベンチマーク

今日の仕事は福岡で、人材派遣会社の営業本部の構築を役員会で説明すること、そして新規に立ち上げる本部営業の方法について営業担当者数名とミーティングすることです。テーマは次の通り。 ①営本におけるデータベースの管理と、各所への発信の仕方 ②各所か…

賃金体系づくり(1)

今日は病院で賃金テーブルをつくっていました。看護師、コメディカル、事務部の賃金体系の整備を行なうことが今回のミッションです。 事務長と二人で、あ~でもない、こうこうでもないと人事政策を決定していきます。全体の人事についての考え方が既に8年前…

医局での説明

今日は関東の病院で医局での説明を行いました。医師9人に対し、今回はじめた業務改革の進め方についての説明を行い、そして質問を受けました。各医師はいろいろな委員会の長として、マニュアル委員会はどう運営するのか、またマニュアル委員会と機能評価委…

病院マニュアルによる業務改革(2)

以下、病院マニュアルによる業務改革(1)で提示した項目についての説明を行います。 (1)業務に精通することができる、という項目について説明します。これは、マニュアルが課業分析によって網羅的に作成されることによって、必要な仕事はすべてマニュア…

病院マニュアルによる業務改革(1)

今日は札幌の本社にいます。羽田で飛行機が遅れたのでやきもきしましたが、今日仕事をしている方々〔社外の人⇒弊社社員はお休みです(汗)〕とメールで資料づくりがるので出社しています。さて、病院でのセミナーやプレゼンの資料をつくっていて、今日はこれ…

45度の目線

昨日は放射線技師の方とお話しました。 いまの病院の技術はすべて修得していると…。でも45度の先を見てみると、まだまだできていないことが多い。臨床例が少ない。機器がない、といったことは現状を表現することではあるけれど、限界ではないはず。 もし、…

業務改革について(3)

マニュアルを作成したあとは、運用です。マニュアルの運用によりマニュアルに記載せれていることをそのまま習得するケース、そしてマニュアルを改訂し、改訂したのち習得するケースがあります。 まずは、そのまま運用することは、個人知を収集したマニュアル…

業務改革について(2)

業務改革は、業務を改革することですが、そのためには仕事の全貌をまず把握しなければなりません。 自部署でできない改革は他部署は病院を巻き込まなければならないことは説明しましたが、まずは、自部暑の仕事を網羅的に棚卸しなければなりません。 課業分…

教育体系整備の必要性

私たちは病院が知的労働集約産業であると考えていますが、実際に医師やスタッフの考え方で病院は大きく変わってしまいます。戦略を明確にして、医師やスタッフの力を最大限引き出すマネジメントさえあれば、よほどのマーケットではない限り急性期病院は経営…

療養型病院からはじまる業務改革

今日の看護部通信(日総研)には、療養病棟整理・縮小への筋道が明らかにということで、療養型病院のさまざまな制度改正についての記事が書かれていました。 ①介護保険移行準備病棟(仮) ②医療療養病棟の一部の病室についての介護保険からの給付を受ける ③…

目標管理制度について(5)

目標管理における指標の意味を考える必要があります。定性目標では、~を行なう、といった目標が設定されることになりますが、どこまでやるのかが把握できず、やりました…、ということで目標が達成されたことになります。そうではなく、%、金額、個数、件数…

BSCの役割

今日は地方の病院で仕事をしていました。目標管理をBSCの形に加工するプロジェクトです。 どちらかというと方針管理のような目標管理ですが、戦略⇒経営方針⇒部門方針⇒個人目標といったかたちで約8年間目標管理を実施してきました。しかし、いくつかの理由に…

業務改革について

先日、業務改革のテーマについて、コメディカルの方数人とミーティングしました。そのなかででてきたことは、業務改革は自部署だけではできない、ということでした。例えば薬剤師さんが持参薬の管理を行なうため、病棟に患者さんが入院するたびに呼ばれると…

事業計画立案について(2)

必要設備のたな卸しを行い、どの設備の買い替えが必要であるのかについてリスト化します。また、新規に何が必要であるのか、その購入によってどのような利益が確保されるのかの経済計算を行います。 ROIの計算は、予測と実績の推移を継続してチェックする…

事業計画立案について(1)

厳しいですね。今回の改正で、療養型は患者さんの半分程度について点数が下がった病院もありますし、また看護師さんの基準が変わったことによる、また一般での72時間の夜勤の限度があることによる看護師さん不足が大変なことになっていると聞きます。今こ…

みなさんお久しぶりです

いや~お久しぶりです。2月の後半から3月は仕事から手が放せず、また本を書いていたりしたものですから、ブログにくることができませんでした。 本当にご無沙汰しています。 病院環境は、その間に大きく変化し、ある意味大変なことになっています。実際に…

医療が変わる(6)

2.医療の質向上を志向したリスクマネジメント (1)基本的フロー ①インシデントアクシデントはマニュアルに反映 Ⅰ従来 ⅰ)集計だけが目的化 ⅱ)対策が脆弱 ⅲ)対策立案の手法やプロセスが確立できていない ⅳ)対策が妥当であるかどうかについて議論できて…

医療が変わる(5)

(4)「もっと良い方法はないか、もっとうまいやり方はないかの追求」 どうすれば、人は改革に向かうのか、という部分に切り込まないかぎり活動は進みません。以下ができているかどうかについての検証を行うことが必要です。 ①改革の目的(医療への純粋な思…

医療が変わる(4)

(2)業務見直し 一般の企業においては、業務の無駄をどのように取り去るのかについてVAやVEといった考え方が導入されています。 しかし、病院ではこうした考え方が導入されない。業務の見直しを単発で業務改善委員会等で実行することもよいが、網羅的…

医療が変わる(3)

1、環境変化に順応する病院運営 仕事の仕組みとスタッフの質によって、医療の質の向上と効率向上が決定します。 医療の質の向上は、仕事の仕組みの見直しと個人の技術技能の向上以外には達成できません。また、医療の質が向上すれば、結果として効率は向上…

医療が変わる(2)

病院が置かれている環境は、過去に創造がつかないほど変化していきています。 今日お話した市立病院の事務長は、次のように話されていました。 「私がはじめて病院にきたときには、診療報酬は右肩あがりであったし、ある意味医者もまだまだ採れる時代であっ…

医療が変わる(1)

DPCを採用している病院が20万床、残り20万床の枠に入る急性期病院が残る。 DPCを採用しない一般病床は、回復期か亜急性期病院に転換というながれがみえてきました。医療療養型病院では、ADLによって点数の変化をもたせることで、医療依存度が高…

経済環境に合わせた組織運営について

一般の企業で最近利用された経営方針発表会におけるトップの話を紹介します。 これは一般の企業だけではなく、病院においても同様のことが言える内容です。 勿論、病院マネジメントはより複雑ではありますが、職員全員が目的をもって行動しなければ今の環境…

成果主義に基づく評価を行う理由(2)

3.留意点 成果主義に基づく評価制度にいおいて、成果=目標です。 ①難易度と達成度についての評価が困難 ②厳密なかたちでの導入は合理的なエビデンスが要求される といった問題を内包しています。 また、目標=計画であり、 ①部門レベルで実行するのか ②個…

成果主義にもとづく評価を行う理由(1)

ある病院で目標管理制度の導入が行われましたが、その一部の資料を開示します。 1.はじめに 病院を取り巻くあらゆる環境が悪化しています。環境変化に対し、急性期病院として拡大していくた めには、医療の質の向上と効率化に常に挑戦し続けていくことが必…

クリティカルパスチェックリスト(2)

続きです。 26一次パスから二次パスに移行したパスは何件ありますか 27結果としてそれぞれの二次パスでは、当初より何日間在院日数を短縮しましたか 28科別のパスを利用した活動状況を把握していますか 29パスの個々の項目についてアセスメントツールとして…

クリティカルパスチェックリスト(1)

お正月最後のおまけに、クリティカルパスチェックリストを提示します。 パスは深いですね。パス大会等で講演会を開く機会が多くありますが、最近は皆さんがよく学習され、パスを進化させているので、どうしても奥に奥にはいらざるを得ません。 1クリティカル…

市立病院はすご~い

K市の市立病院は、すごく活性化していました。毎日超忙しいなかで、医師をはじめ多くのスタッフが懸命に働いていました。少し偏見をもっていましたが(すみません)、感動しました。 その次のT市の市立病院は、次長が労働時間は8時間を超えるとモチベーシ…

教育システムについて(4)

なお、自己啓発を制度とした場合、前述したようにこれを科学的な判断で行う必要があり、体系化しておくことが必要です。また、病院側が、自己啓発のための予算を確保する必要が発生することもあります。 4.今後の進め方 今後は、3つの教育をどのように体…