よい病院、よくない病院の見分け方[石井友二]

マネジメントの巧拙が、病院の良し悪しを決めます。多くの病院コンサルティングの成果をお伝えし、自院の運営に役立たせていただくことを目指します。職員がやりがいをもって働ける環境づくりも、もう一つの目的です

#その他の病気

J-SOXと病院(1)

アメリカのエンロンやワールドコム事件に端を発しSOX法が制定されました。日本でも多くの事件が起こり、コンプライアンスが問われているなか、金融商品取引法下において同様の対応が行われることになったのです。いわゆるJ-SOX法がそれです。 上場会…

よい病院になるために

当ブログは、よい病院、よくない病院の見分け方、というブログでありながら、とちらかというとよい病院のつくりかたのようなブログになっています。 地域住民に対して訴求するものではなく、どちらかというと院内の状況を正しくみつめ、どうしたらよい医療が…

夏の院長ミーティング

先日中国地方の病院で、院長のヒヤリングを行いました。院長の病院経営に関わる情熱や思いが伝わるとても素敵なお話をお聞きしました。 私たちがどこまで健全化のための経営計画を立案できるかは、結局はリーダーの思いやスタッフの賢明さに大きく依存します…

リスクマネジメントについて語る(1)

関東S病院では、インシデントレポート(レベル設定が悪く、アクシデントも含む)が先月120件もでました。過去には毎月10件でるかでないかであったものがよくこれまで活性化したと思います。ただ、これだけよくあるなというほどのインシデントアクシデン…

看護プロセスについて

今日の病院では、病棟でフォーカスチャーティングが実施されていました。ついこの間までSOAPだったのがICUで利用していたものを、簡単であるという理由で病棟で利用することで変わったようです。 でも、明確な方針や目標がつくれていないときには、情…

マニュアル委員会は最高ですね

さきほど病院を出ました。今日はマニュアル委員会があったんですよ。 7ヶ月で1200の新しいマニュアルをつくったT病院の委員会は第二期です。半分以上の委員が交代し、前の委員はオブザーバーで残りましたが、第二フェーズでばっちりマニュアル委員会が…

ブランドな病院(2)

ブランドは、信用、信頼、安心から生まれる患者さんの思いです。何かあればこの病院に行こう。この病院のファンである、といった何かをつくりあげる必要があります。そのためには、医療の質を向上させることがまず必要です。医療の質を向上させることによっ…

教育について(1)

少しだけ、当社の教育システムのなかから資料をピックアップして、ご紹介します。 組織における人の動き方は、知識や技術技能だけではなく、意欲や姿勢、態度によって決定されるものではあります。したがって意欲の醸成、姿勢や態度の矯正あるいは、意識改革…

DPCをどう考えるのか(2)

医事だけではありません。DPCについていえば、疾病別の原価を把握できなければ、しらない間にロスが生れます。治療すればするだけ、入院させればさせただけ病院経営にロスが発生することになります。 行為別原価計算及び患者別疾病別原価計算を実施できる…

DPCをどう考えるのか(1)

DPC時代を迎えました。 40万床しか急性期病院が残れない、といわれているなかで、まさにDPCは勝ち残るための急性期病院の登竜門であると考えます。DPCをきちっと適用するためには、従来の病院の運営に大きく影響を与えることになります。 医事が…

看護部課題(1)

北海道E病院で看護部の幹部に対しヒヤリングを行いました。以下結果について、その一部を提供します。 (1)目標管理制度の精度 目標管理制度については、きちっと実施している部署とそうではない部署に分けられます。部門目標を具体化する段階で、方法が…

患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言(2)

8.守秘に関する権利 a.患者の健康状態、病状、診断、予後および治療に関する身元を確認し得るあらゆる情報、ならびにその他のすべての個人情報の秘密は、患者の死後も守られなければならない。ただし例外的に、患者の子孫が自らの健康上の危険に関わる情報を…

患者の権利に関する世界医師会リスボン宣言(1)

個人情報保護法に関し、プライバシー保護が問題になりました。単なる一般的な個人情報の保護という領域から、一歩進んで患者さんの側に立った対応が病院にできるのかどうかといった疑問があります。 個人情報保護法についての一時のブームも沈静化してしまい…

よい病院はよい医師、よいスタッフ

最近つくづく思います。 病院が二極化してきています。 前向きな姿勢によって、常に前進、発展を目指している病院と、そうではない病院。従来行ってきていることが正しいと思わず、常にもっと良い方法はないかと探索し続けている病院とそうではない病院。 よ…

病院に不可欠なもの

突然ですが、昨日は看護助手さんと話していていろいろなことを考えました。 朝早くから夜まで休みがほんんどなしのなかで、患者さんのために働き、そして家族のために働く。土日は看護師さんの利便を図るため、助手さんは働く。顔が疲れた感じがしました。 …

よい病院(11)看護師さんの意識改革

先日、心臓手術では有名な病院の院長とお話をさせていただく機会がありました。 院長は、看護師に主体性がない。いわれたことでもやらない。というお話をかわきりに、発想力がないことでの術場のインシデントの事例をあげ、ことこまかに手順を検証するが、ポ…

ボランティアによる支援Ⅰ

病院では、いろいろな仕事でボランティアさんが活躍しています。 花壇づくり、清掃、患者さんのお世話、病院軽作業といったものがそれです。 ボランティアの方は自分が病院のお手伝いをすることで、人のお役にたちたい、自分でできることで 誰かが喜んでくれ…

わかりやすい病院経営(2)でてくる問題点はこんなもの

医師や職員からアンケートをとって、でてくる結果で最も多いものから列挙すると、次のようになります。 ①上司とのコミュニケーションが悪い ②他部署とのコミュニケーションが悪い ③トップの進む方向がわからない ④休みがとれない ⑤評価が公平ではない ⑥上司…

よい病院(10)積極的接遇Ⅱ

以下は、私が先日東京での講演会で利用した資料の抜粋です。 1.活動 個人情報保護法(とプライバシーポリシー)への対応は、従来とは異なる行動様式を求められてい ることを意味。医療・看護そのものへの影響がでる可能性がある。実施事項は次の通り。 (…

よい病院(8)医師の治療法

主治医から最良の医療を引き出す方法(抗がん剤ヘルプデスク) http://ac-drugs-blog.try-2-live-4-u.com を見て感じました。 結局のところ、医師も人間です。さまざまな思いがあって診断を下します。 どこに軸足を置くのか。自分のキャリアを積みたいのか、…

よい病院(7)積極的接遇Ⅰ

今日は講演会でした。テーマは個人情報保護法対策。 個人情報保護法対策のためには、プライバシー保護、そして積極的接遇へと階段をあがり戻ってくる必要があります。 単純な個人情報保護法対策から、もう少し幅広いプライバシー保護をテーマとした対応を行…

よい病院(6)リスボン宣言Ⅱ守秘に関する権利

さらに、患者情報についてはこれを秘密にしなければならないってここで宣言されています。宣言を遵守するのかどうかについての判断は病院であり、強制力はありませんが、この本質を理解し、徹底して病院の思想や志向、行動様式に織り込んだ病院と、そうでは…

よい病院(5)リスボン宣言Ⅰ情報に関する権利

個人情報保護法の前に実はリスボン宣言があるのをご存知ですか。私はあとで知りました。 情報に関する権利のなかで、患者さんの権利が語られています。患者さんがどのような権利をもっているのかについて知ることから、患者さんに対し、どのように対応してい…

よい病院(4)個人情報保護とプライバシー保護Ⅱ

個人情報保護法ってすごいですよ。 当社のスタッフが個人情報保護法のコンサルしていますが、そこで聞いたお話し。 ある男性が交通事故で入院したそうです。その男性は家族にもどのような状況で入院したのかを知らせないようにと病院側にいいました。 アナム…

よい病院(3)個人情報保護とプライバシー保護

本年の4月に個人情報保護法が施行され、病院はさまざまな取り組みを行なっていくことになりました。一般に想定できることは簡単に言って、入手した個人の情報を診療及び治療以外に使ってはならない、それ以外の用途に漏洩してはならないということでの対応…

よい病院(2)すてきな医師がたくさんいらっしゃいます

昨日は私事ですが、私が隠れたよい病院と考えている病院に患者としていってきました。公的な病院でとてもきれいな病院ですが、いままでかかったことのない科を受診をするのに受付の女性笑顔で説明してくれましたし、年配の男性もとても丁寧でした。 今回は、…

看護師さんお願いします(6) 握手しましょうね

先輩の教え☆ http://blogs.yahoo.co.jp/yukky919/trackback/204454/4502085 握手って不思議な力があります。 この記事は、看護師さんが患者さんに握手をすることについて書かれています。 私も職業柄握手をすることが多いですが、この9年近く、病院で仕事を…

患者さんからみた病院の問題点(2)まだまだ受付

それでもって、受付において接遇を徹底しているところが以外と少ないです。 接遇といっても一般的な笑顔、挨拶、礼節ですが、少しでも優しく、ていねいにということをすべての病院に望むのは難しいですね。 クレームについてもクレームの種類によって対応を…

患者さんからみた病院の問題点(1)まずは受付で~す

医療従事者意外の者として、いろいろな病院のなかから9年間病院をみてきて判ること。患者さんの側から感じたことと、病院側の問題点を整理していきたいと思います。ますは受付ですか。総合受付がある、あるいは看護師さんが申し込み用紙に記入する場所にい…

患者さんからみた病院と病院からみた患者さん(6)本来の接遇って

病院で接遇教育が行なわれることがあります。 あまりにも言葉遣いがゾンザイであったり、態度が社会常識から外れているといったことが理事長の悩みです。 でも患者さんは職員の挨拶、笑顔、礼節が正しければそれで納得するんですか? そうではないですよね。…